(川内村のカフェ「秋風舎」にて)


変なこだわりがあって、つい最近までエアコンを使わずに就寝していました。寝苦しさから不眠気味になりました。


これまでは三方の窓を開けたまま床に就いていました。夜半には十分に気温が下がり、眠ることができました。


ところが、あさ目が覚めると首周りが汗だくになっていることが頻発するようにました。疲れも取れません。


おそらく気温そのものよりも湿度が高くそれが快眠を妨げていると感じました。


悔しいけど文明の利器を借りるしかない。20歳のとき熱帯のタイ・バンコクに1年間留学していたときでさえ扇風機のみで学生寮で暮らしていたのに。昨今心身が柔(やわ)になってきました。不甲斐ない。


エアコンを弱目に設定。


嗚呼、なんだこの心地よさは。ぐっすり眠れる。あさスッキリと起きることができる。こんなにも違うのか。いままでが馬鹿だった。


これまでの意固地な自分の態度を反省。と同時に堕落してしまうのではと幾ばくかの不安も芽生えています。


変なこだわりと言えば、他にもあります。


畑の耕しは「縄文人に負けない」をモットーに鍬とスコップだけで取り組んでいます。


フルートの練習を空調のない中廊下で夜20分毎日継続しています。


職場に着いたらエレベーターを使わずに7階まで階段で上っています。負けてたまるかと鼓舞しながら一段一段。


日誌を分単位でいつ・誰・どこ・何など克明に漏らさず記録しています。すでに20年分。A4判Word文書で約3,000頁。


「星々のつぶやき」をほぼ毎日アップしています。本稿を含め2,987篇。間もなく3,000に。


他にも「きなこ」や「着ぐるみ」など変なこだわりがありますが割愛します。

(川前駅にて)


これは虫の側から考察しなければ埒が開かないだろう。本稿の結論です。ムカデに足指を刺されました。


昨晩、地域のイベントに上司や同僚たちと参加。その後、二次会として地元の地ビールカフェ「ハッピーオーラ」に寄りました。


この田舎に忽然と闇夜に輝くカフェの存在に同僚たちも驚いたようでした。つい先日も「小川郷駅前をハシゴするプロジェクト」を催したばかり。ハッピーオーラはオアシスのような存在です。


磐越東線最終のいわき駅行きに間に合うよう駅まで見送り、お暇しました。


帰宅して脱衣所で靴下を脱ぎ、須臾の間、電灯も点けずにぼーっとしていました。私の癖で、次の行動に移る瞬間の休符です。


そのときでした。右足の親指の隣、つまり第2趾(示趾)に鋭い痛みを感じました。照明を点けたところムカデが足から離れていくではありませんか。


いかにも“してやったり”という感じでのそのそと逃げて行きます。激痛に耐えながら私の頭は「なぜ」がたくさん浮かんできました。


なぜ、ムカデに咬まれなければならないのか。怨恨による犯行なのか。


ムカデの身に命の危険を与えるようなことを私は何もしていないのに、なぜ襲われたのか。


蚊が人間を刺すのは栄養価の高い人間の生き血を吸うため。その行為の是非はともかく意味するところは理解できます。


しかし、ムカデは何のために私の足指を咬む必要があるのか。ムカデよりはるかに大きな肉体を持つ私を餌にできるわけでもないのに。


ムカデに対する嫌悪感、敵愾心だけを増幅させ、返ってムカデにとってリスクが高まるだけではないのか。浅慮な行為だと思うのです。


「江戸の敵を長崎で討つ」ではないが、私は本日よりムカデを発見すれば直ちに退治する態勢、言い換えればすぐに引っ叩く決意を固めました。ムカデ、待ってろよ。こんにゃろ!


興奮したところでハッと我に返りました。ムカデばかりではない。戦争も似たようなものかもしれない。無益な行為です。


そんな風に思いながらけさ薬を塗りました。幸いに腫れることもなく、痛みも鎮まりつつあります。

(畑の赤紫蘇を煮出してジュースにしました)


なぜあれほどまでにピシッと毛布とシーツが締め付けられているのか。ホテルのベッドメーキングのことです。


初めてあの締め付けに出遭ったのは大学1年の夏。東南アジアに旅行した際でした。当初はそのままの状態で就寝することが習わしなのではないか、と思い封筒に忍び込むように入りました。


(ミニトマトが数珠つなぎ)


しかし、足の指の圧迫感が堪らない。バビンスキー反射並みに足指が反り返ってしまいました。


その後は、就寝前にぐぅっと毛布とシーツを合わせ持って引っ張ることが私の儀式となりました。


なんでこんなにぴたっとするのか、とぶつぶつ心の中で不満を漏らしながら足で蹴り、手で引っ張りながら解放してやります。ひどい場合は引っ張りの反作用で壁に後頭部をぶつこともあります。


(オクラは湯掻いて食べる方が美味い)


一方で土俵のような大きな掛布団というか、ふわふわしたカバーが締め付けシーツの上に乗せられていることがあります。ちょっといいホテルに泊まったときに遭遇する風景です。


しかし、翌朝にはずろずろと床に落下している。まるでアメフラシの死骸です。これも何とかならないのか。


(ミニトマトは種類が豊富です)


ついでに言うと、あの伝統的な浴衣(ゆかた)も嫌いです。翌朝目覚めると乾燥かんぴょうのようになっていて始末に悪い。肌を隠せずあられもない姿になっています。


そして、あまり大きな声では言えませんが、浴衣は洋式トイレを座って使うときは要注意です。過去に...

(知人から大きな鮑を2ついただきました。バター焼き)


歯周病にならないように、と数か月に一度受診しています。処置は基本的に歯科衛生士です。診療前後に尊敬する院長に挨拶できるのも楽しみの一つです。


受付に診察券を出したそのとき、「この前はすみませんでした」とお詫びの言葉をいただきました。


「いえいえ、ぜんぜん、こちらこそ。でも、よく覚えていますねぇ」


3か月も前の出来事を瞬時に思い出す俊敏性。何人もいる患者の一人に過ぎない私の名前を見ただけで反応する鋭敏性。


待合室で待つこと数分。3番の診察台に案内されました。


ここでもまた謝罪を受けました。恐縮すると同時にスタッフの間で情報が共有されていることに感銘を覚えました。


朝礼または夕礼の場で、あるいはICTを積極的に導入している院長なのでチャットツールで情報共有が図られているのかもしれません。


「お変わりはありませんか」


「右の下の奥歯の内側が少ししみるように感じます」


(鮑ご飯)


歯周ポケットの深さの計測、歯石の除去と仕上げの研磨が終わりました。いつものように丁寧です。安心して口を委ねることができます。


すべてが終わり、診察台から立とうとしたとき院長がやって来ました。


「この前はすみませんでした」


「ぜんぜん構わないのです。気にしておりませんので、大丈夫です」


院長先生自ら謝られ、返ってこちらが申し訳なく思いました。


前回、駐車場が満車でした。なかなか空かず待機の時間が長くなりました。次の用事がなければ辛抱強く待つところです。クリニックに電話をして後日また来院することを告げた、という顛末です。


クリニック側から謝罪されるほどの深刻なものではありません。私が用事を詰め過ぎていたのです。


「ところで、奥歯がしみるのはストレスも関係しています。最近テレビにお出になられましたよね。矢面に立つ場面も増えてきました。そういったストレスも関係しています」


「謝罪記者会見ですね。ご迷惑をおかけしました」


謝罪に始まり謝罪に終わる診察でした。

(サバイサバイ屋台にて。カオマンガイ 税込780円)


実用タイ語検定試験3級を受験しました。会場は千代田区神田。筆記試験1時間、リスニング15分の計1時間15分でした。


若者を中心に200人弱。属性は学生と思しき人に加え、一度タイを訪れてハマったと思われる20代後半から30代といったところでしょうか。私のような五十路のおじさんは見当たりませんでした。


あっという間に投了。時間が足りませんでした。初めのうちは単語の並べ替えによる文章作成など。易しく感じ、楽勝かもと慢心が芽生えました。


(屋台の雰囲気が満載)


が、中段から難易度が急に上がり、タイ人も間違う可能性のあるパーリ語やサンスクリット語由来の不規則な綴りの単語を正確に当てる設問にバージョンアップ。頭を抱えました。後段は長文読解。わからない単語が続出しました。嗚呼、駄目だ。


ヒアリングはほぼ玉砕でした。タイ中部にあるロッブリー県の猿のことが話題になっていることまでは理解できました。たまたまニュースで同県で猿が急増していることを知っていたこともあり、その知識を駆使して解答しました。


100点満点で70点以上が合格ラインです。1か月後に合否結果が郵送されてきます。


(カラメルの海に浮かぶ巨大なプリン。神田駅高架橋下の「Railway Station」にて)


主催者の特定非営利活動法人日本タイ語検定協会によると3級のレベルとは次の通り。


「日常生活を送るのに必要な中級レベルの文法知識と語彙を習得し、それらを用いて表現できること。短い文章の読解・聴解・記述・口述ができる。日常生活においてタイ人と意思疎通が可能なレベル」


3級試験が通れば、あわよくば翌年に準2級に挑戦しようと目論んでいました。


(一夜漬けならぬ半日漬けで臨みました)


現実はそんなに甘くないのです。地に足のついた努力を重ねる必要を改めて感じました。


今回、験(げん)を担ごうと神田駅近くのタイ料理店でお腹いっぱいカオマンガイとトムヤムクンを食べました。


屋台の雰囲気漂う店内で気分はもうとっくにバンコクのソーイ(小路)の屋台街。なんだか満点を取れそうな気持ちになりました。


(東京駅で長男と合流し反省会。仕事の助言を受けました。若者からは学ぶものが多い)


試験時間まで最後の追い込み勉強をしようと神田駅界隈を徘徊。プリンの美味しそうなカフェを発見しました。このプリンを食べれば合格できる。根拠のない確信が湧いてきました。


カラメルが皿いっぱいに浸されている上にさらにミルクポッドで追い掛けできるという。プリン好きには堪りません。


結局のところ、このような花より団子的な心根に試験結果は自ずとわかるようなもの。物見遊山で臨んではいけないのです。ロッブリー県の猿とともに反省したいと思います。

(コイツがヤブガラシの根です。しつこいです)


短日月でこちらの意図した以上の質で資料を仕上げたスタッフ。エースの意味を込めて私は思わず「我が部の大谷翔平だね」と言いました。


パッと顔を明るくして笑顔を見せながら答えます。


「じつは私、大谷翔平選手と誕生日がいっしょなんです」


とても嬉しそうでした。こちらが企図した以上に図星の称賛となったようです。「共時性はあるのかも」で述べているようにこの世には単なる偶然以上の何かが働いているとしか思えないときがあります。


先日新聞記者の取材を受けました。私のモットーは「目の前のひとりを大切にする」であると伝えました。予断をもって会わない。職業や立場で判断しないようにしようと心がけています。


昼休みが間もなく終わるというときに生命保険の営業の方が来ました。生保のセールスをするようになってどのくらいなのか、出身はどこなのか。むしろ私の方が問い掛けました。


「じつは以前、実業団でオリンピック柔道金メダリストの◯◯さんといっしょに練習していまして...」


「えっ!?あの世界的に有名な◯◯さんですか」


「そうです。よく投げられていました。小柄なのにすっと入ってきて投げられていました」


「何が違いましたか」


「動体視力ですね。ぜんぜん違います」


「はぁ。動体視力が違うんですね」


対話をすると思わぬ発見があります。きょうは世界的に著名なアスリートと関連する日だったように思います。


私は動体視力はまったくダメですが、土中のヤブガラシの根っこを見つけ出すワザはずいぶんに年季が入ってきました。ヤブガラシの根でまちおこしができないか模索しています。

(通勤途上のハナミズキ。春宵一刻値千金)


日々の不安の半分は聞き取れないことへの難です。友達同士や家族など、くだけた場ではさほど気にすることではありません。自宅では両耳とも補聴器を外してしまいます。


静寂が返って好きです。特権であるとさえ思っています。


しかし、公的な、より正確に言えば儀式的色彩の強い場になればなるほど聞き返すことが困難となり緊張は増大します。


同じ仕事仲間であったとしても場の設定によって不安の多寡は異なります。懇親会の席では適当に相槌を打っても支障はありません。が、重要な決定を行う会議やヒアリングの場などでは大丈夫だろうかと心配になります。


音響によってどこまでその不安が解消されるか。テストをしてもらいました。


バッチリでした。これまではハウリングのおそれがあるため活用されていなかったようです。調整すればその問題も解決することが実証されました。


私の不安を受け止め共有し、真摯に対処してくれました。胸が熱くなりました。有り難いことです。


人は人によって支えられていることを改めて実感しました。とともにやはり難を感じている当人が表明することの大切さも認識しました。


翻って我が担当業務に置き換えれば、困難を抱える人が口に出して言える、言いやすい環境、雰囲気を作ることが重要なのだろうと思いました。


きょうは大きな不安が解消され心のツカエが取れました。感謝の思いでいっぱいです。

(飲み比べセット)


昼間はカフェ、宵のひとときは角打ちになる。素敵な空間です。矢吹酒店を訪ねました。角打ちの流儀は長い無用。サクッと味わいました。


(ニシンの缶詰め)


九州の文化だと理解していました。地元いわきで角打ちを楽しめることは嬉しい。昼の部のカフェも次の喜びとしてとっておきます。


(最初の一杯が五臓六腑に沁み渡ります)


もう少し駅に近かったら...いや近くだったら毎日のように寄って(酔って)しまいそうで、それはそれで怖い。自制心が弱いのでこの距離感が私への抑制力として働きます。



(おつまみ3点盛り)

肴の多くは缶詰めです。店員さんの盛り付けがまたいい。面倒くさがり屋の私は缶詰めから直についばむを厭わない。食とは目で食べるものなのでしょう。


(堪りません)


自制心が切れそうになったらまたお邪魔します。角打ちの伴走的支援を求めます。道連れ募集中です。

(徒歩通勤途上の風景。夏井川にて)


少し以前から知人にサーフィンの誘いを受けています。人生は短い。悪事でない限り、お招きには乗ろうと決めてはいるもののサーフィンはちょっと。躊躇しています。


理由はいくつかあります。


まず、冷たい水に入ることが苦手。 サウナ後の水風呂もざぶんと入れません。しばらく屹立状態でようやく脚が慣れてきたところで上半身もそろりと浸す始末。ミケランジェロの「ダビデ像」状態が続くということです。


次に、やはり水が怖いからです。 小学生のとき目の前で水難事故を目撃しています。助けられませんでした。


そして、なによりも、あの笹かまぼこの親分のような板に乗って波乗りができるだろうか、というのが第一にあります。


「難しいでしょう?溺れませんか」


「大丈夫ですよ。教えますから。サーフボードに乗ると見える風景が違いますよ」


きっと違った世界が眺められるのでしょう。


タイで初めて象に乗ったとき、想像以上の高さに恐怖心を覚えました。普段と異なる体験を経ると人生観が変わるかもしれません。象から降りて、友人の言われるままに地面に寝転んで象に跨られたときは踏みつぶされる自分の姿を想像しました。


「いわきはサーファーにとって最高の場所なんです」


「そうなんですか。茨城とか相双(相馬・双葉)地区も海があるじゃないですか」


「海岸線の地形の関係で季節を問わず、いわきはサーフィンができる波が起きているんです。茨城の海は基本真っ直ぐのラインなんです。いわきは囲むような形状になっています」


「へぇ。初めて聞く話です。サーファーにとってメッカなんですね。そういえば四倉海岸で全国大会( 全日本サーフィン選手権大会)が開かれていますね」


「そうなんですよ。でもね、けっこうそれぞれの海辺に縄張りがあってよそ者が入ると痛い目に遭ったりするんです。××海岸(ピー音)の北側にいいスポットがあるといった情報をアップすると大変なことになります」


「へぇ。そうなんですか。海にもシマがあるんですね」


「陸上にいると海の上では人格が変わる人もいるんです。ボコボコにされたことがあります」


痛いのが苦手。中学生のとき当たっても痛くないボールを使う卓球部を選んだ私。ボコボコは嫌です。人格が変貌する人も避けたい。


サーフィンのお誘いは丁重にお断りし、笹かまぼこで我慢しましょう。

(築270年を超えるGAMP HOUSE)


古民家ゲストハウスでの語らい(中)」からのつづきです。


囲炉裏端での語らいは、GAMP HOUSEのオーナーのTadaさん、仙台からいわきを初めて旅行中の男性のIさん、そして私たち父子。


Iさんの話に耳を傾けます。世界中を旅しているという。私が尋ねます。


「今後、どんなところに行く予定なんですか」


「行ったことのないところに行きたいですね。5月の連休にウズベキスタンに行こうと思っています」


「ウズベキスタン!?私、シルクロードの西域に憧れます。元(げん)の時代の支配地域ですね」


ふいに『飛んでイスタンブール』の曲が頭の中に流れ始めました。イスラム世界の言葉には何か惹きつけるものがあります。


「ウズベキスタンのサマルカンドに行きたいと思っています。その言葉の響きがエキゾチックで...」


「わかります。その響きからモスクが見えます。コーランが聞こえてきます」


「イスラエルは一度行っていますが、また行きたいですね。中米のホンジュラスも行ってみたいです」


「治安がヤバいところじゃないですか」と長男。


(朝食800円。じつに美味しい。米も自家栽培)


ホンジュラスはつい最近、台湾との国交を断絶し中国と外交関係を樹立しました。


「そのようですね」


「ところで、なぜいわきが初めてなのですか。私たちいわきの人間はよく仙台に行きますが」


「そうですねぇ。福島や郡山にはよく行くんですよ。いわきは経路的にも遠いって感じちゃうんですよね。特段の行く必要性もないですし。来てみたら、じつにいいところですね」


「仙台在住の方にとってはいわきはそういう心理的・地理的に遠いって感じる場所なのですね。隣県とは言え、訪問先として認知されていないことに気づきました。逆に言えば、インバウンドの可能性がありますね」


IさんとLINEを交換しました。ゲストハウスの醍醐味はこういった出逢いにこそあります。


「ウズベキスタンに行ったらサマルカンドの写真を送ってくださいね」


「わかりました」


嗚呼、私も気の赴くままに西域を徘徊してみたい。


西のかた陽関を出ずれば故人無からん(元二を送る〈王維〉)より


Calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2024 >>

Archive

Recommend

Mobile

qrcode

Selected Entry

Comment

Profile

Search

Other

Powered

無料ブログ作成サービス JUGEM