(職場の隣の公園にて)

あさの目覚めはいつも鬱屈感で満たされています。これを改善する方法はないものか。ずっと悩んでいます。

眠る直前にお笑い動画を見るのはどうか。愉快な気分がいくぶん減衰しつつも翌朝まで持つのではないか。そんな風に思いました。

相当に可笑しいものでない限り私はなかなか笑いません。大好きな芸人「サンドイッチマン」の動画でさえ声を出し大笑いすることはめったにありません。

ゴルゴ13ほどではないにしても表情筋を緩める程度です。

今回選んだのは「さんまのスーパーからくりTV」の「ご長寿早押しクイズ」。

真夜中に真っ暗な部屋でスマホを枕元に置き、家人に迷惑にならないようにイヤフォンで聴きます。

あの可笑しさはネタなのか、自然体なのか。やはり素のままなのだろうと思います。

「狭い世界しか知らないことを俗に『井の中の』何というでしょう」

鈴木史朗アナウンサーが淡々と尋ねます。

チャイムとともに「胃の中のオカズっ!」と元気よく答える解答者。80代の男性です。

真夜中の真っ暗な寝室で私は大きな笑い声を出してしまいました。3人の解答者が連鎖反応を起こしたかのように的外れでかつ秀逸なまでに可笑しい答えが続きます。

思わず布団を叩いてしまいました。

私は思うのです。

「井の中の蛙(かわず)」あるいは、より正確に「井の中の蛙大海を知らず」と答えたならまったく面白味がない。でも、ともすると私たちは学校で精緻なまでの正確性を求められてきたのではないか。

漢字のテストにおいても「跳ねる」「止める」など、私たちは小さなことで減点されてきました。いつしか瑣末な間違いを気にする思考を身に付けてきてしまったように思います。

そのような無味乾燥な思考習慣に慣らされれきた身にとって「胃の中のオカズ」は極めて高い付加価値を有する発想と言えます。

といったことを考えながら眠りにつきました。が、起床時の鬱屈感に特段の変化は見られませんでした。睡眠によるリセット力を思い知りました。

明日はあさ早く起きて「胃の中のオカズ」を聴いてみようと思います。


(キンチョール。においが苦手です)

新聞の広告を見て初めて笑いました。私の心に二重にも三重にも響きました。昨日の4月1日付日本経済新聞です。

夕食前にダイニングでくつろぎながら新聞を読んでいました。

ちょうど中折りの見開きを開いたときです。全面を使った広告が目に飛び込んできました。大日本除虫菊株式会社のキンチョールです。

まいりました。こういう仕事のできる人になりたい、と思いました。

政府が重大発表するそのときを狙ってぶつける心意気。エイプリルフールの4月1日であることを憎らしいほどに生かす。

しかも、昆虫博士と言っていいくらい虫に詳しい香川照之の起用。緊張の面持ちでキンチョールを掲げているだけ。何をどうしたいという具象化されたメッセージのない広告。

しかし、幾重にも用意周到に練られた広告です。

これぞ広告なのだ、と思います。この諧謔(かいぎゃく)の精神こそが江戸期に庶民が持っていたたくましさであり、生きる力の源泉だったのではないか。

権力に対して素手で抗うことはできずとも、心は和さない。従わされないぞとの心意気。好きです。

社会は不思議なことに下降期に同調圧力が高まります。一億総活躍。嫌いな言葉です。和することのできない私は恐れます。

というわけで、新聞は電子版によって駆逐はされないと確信した4月1日でもありました。私もいつの日か見開き全面広告で打って出たい。


(あのときも蘇鉄が生えていました)

常磐ハワイアンセンターの思い出を一言で言えばハワイアンの音楽と蘇鉄の緑となります。

ハワイアンミュージックには人を和ませる不思議な魅力があります。効率性の追求や目標達成といったビジネスマインドを砕く、脱力系の音色が好きです。

45年ほど前、どういった経緯かは記憶していませんが、常磐ハワイアンセンターに家族で泊まることになりました。

ホテル本館ではなく、レストハウスと呼ばれる廉価な施設を親は予約したようです。いずれにしてもホテルに宿泊するということは一大事でした。

私はもちろん姉や弟も興奮していたことでしょう。自家用車はありませんでしたので、汽車とバスを乗り継いで来たのだろうと思います。

ホテルの玄関に入るとロビーは広くふかふかした絨毯に覆われていました。黄土色だったように記憶しています。

3歳になるかならないかの弟がそこで靴を脱ぎ出しました。

「ここは靴を脱がなくていいんだよ」

親や私たちが弟を笑うと、弟はたちまち顔を真っ赤にしました。悔しさと不甲斐なさに溢れた表情を見せました。

そういう私もうすぼんやりして反応が遅かっただけで、じつは靴を脱ごうとしていました。弟の方が機敏で律儀だったのです。

ここに来るたびに真っ赤になった弟の顔を思い出します。

きょうはこれから研修会です。ロビーに流れるハワイアンギターが眠気を誘います。夢の世界に入ってしまいそうです。

最前列に座っています。居眠りして赤面しないように気をつけます。


(焼きチョコBAKE をいただきました)

初めて生で落語を聞いたのは18歳のとき。東京都内の体育館ででした。場内は満席。

本題に入る前のまくら。

「え〜私は、おならで音階を奏でられまして。どれ、レの音を出してみましょう。レの音、レの音。あら、やだ、ミが出ちゃった」

初めての落語のまくらがこれでした。

前振りのまくらが強すぎてというか、私の琴線に触れて、本題はすっかり忘れてしまいました。

30年経ったいまも心に深く残っています。

トイレネタが比較的多いといわれるのも、この初めての落語の影響なのかもしれません。


(このチョコ、食感が好きです)

(からつづく)

「探偵!ナイトスクープ」を見ていると探偵局に対する視聴者の絶大な信頼感を感じます。頼めばきっと解決してくれる、と。

探偵局は依頼を真摯に受け止めます。しかし、予算があるわけでもない。

どうするのか。知恵と工夫と笑いで解決していくのです。ごまかしはしません。

さて、府立高校のフェンスに引っかかった洗濯物。竹山は高所作業車のレンタル会社に電話します。

ナイトスクープは電話を頻用。

個人的には天才料理人の林繁和先生とのやり取りが好きです。

「巨大ナメクジの付け焼き」で20センチ長の巨大ナメクジ(公園などの繁みにいるんですね)を美味しく料理する林先生の腕はまさに天才。

さて、株式会社カンキ(本社 神戸市)を呼び、社員数名と高所作業車がやってきました。

探偵の竹山は「カンキさん、無料でありがとうございます!」と声を張り上げ、無理やり無料で引き受けさせます。

校庭でカンキの即席CM「カンキがあるとき〜 カンキガないとき〜」を仕上げてしまう、ナイトスクープの力技がたまりません。

高所作業車で洗濯物を救出したあと、探偵の竹山は持ち主を探すため、マンションを一軒一軒くまなく歩いたそうです。

この全力感、真面目さ。手抜きしない姿勢。大好きです。

数年前に親友が出演した「探偵!ナイトスクープ」を動画サイトで見て、すごいことだったんだと改めて思いました。

探偵のつっこみもいいし、取材過程で生まれる小さなドラマもじつにいいのです。

ともすると、できない理由を探すのが得意な私の職場。

相手の立場に立って依頼を全力で受け止めるこの「ナイトスクープ」の姿勢を見習わなければと思うだいこんくんなのでした。

追記 「死海に行ってプカプカ浮きたい」との子どもの依頼に対して。

依頼者宅の浴槽にものすごい量の食塩を投入。見事に依頼者が浮かんだとき大笑いしてしまいました。

知恵をめぐらして、依頼者の思いに寄り添う姿がたまらなく好きです。


(友達にいただいた信玄生プリン。濃厚です)

「探偵!ナイトスクープ」ってどうしてこんなに面白いのか。大きな仕掛けがあるわけでも、ネタがとびきり面白いわけでもない。でも、じつに面白いのです。

視聴者から探偵局に寄せられた依頼を依頼者とともに探偵局員が調査し、その過程のVTRを流す。ただそれだけです。

が、惹きつけられるのです。

『フェンスにひっかかった洗濯物』探偵/竹山 隆範

依頼者は名門「大阪府立北野高等学校」の男子高校生。

暴風が吹き荒れた日、学校を囲うネットフェンスにどこかの家の洗濯物がタコ足の物干し(クラゲ状態)ごと引っかかった。

尋常でない高さ。自分たちでは手が出せない。ぶら下がったままで気になって仕方がない。洗濯物を救出し、持ち主に返してあげて欲しい、という依頼。

はっきりいって、依頼内容に面白みがあるわけでもありません。緊急性もない。府教育委員会が対応しないのもわかるような気がします。

でも、探偵局はこの依頼を真正面から受け止めます。相手の立場に立って同苦します。寄り添う姿勢がいい。

ナイトスクープは、Knight Scoop。「夜」ではなく「騎士」の意味。

冒頭、探偵局の「秘書」が視聴者からの調査依頼の手紙を読み上げます。局長の西田敏行は涙もろく、この読み上げ時点でうるうるすることも。

朗読によって視聴者は依頼者にシンパシーを感じ、感情が高ぶります。

探偵局はどう解決するのか。視聴者は俄然スイッチが入ります。

問題のフェンスの洗濯物。府には高所作業車を呼び出すような予算はないらしい。

依頼主の高校生が登場。当人曰く。社会科の先生が授業で「探偵!ナイトスクープ」にいえば解決してくれるんじゃないか、と。

先生も安直。依頼する生徒も安直。一見安直に思えることも当人にとっては真面目な悩みなのです。

(につづく)


(ひげメガネ)

兵庫県淡路市にある株式会社八幡光雲堂。昭和35年頃から吹き戻しを製作している工場です。

吹き戻しの日本シェア90%を誇ります。吹き戻し作りの体験ができ、自分で作った作品は持ち帰ることができるそうです。

最近では吹き戻しを使ったリハビリが医療機関で行われるようになっています。

楽しく吹き戻しを吹くことで口腔周囲筋を強化でき、呼吸機能障害、発声障害、嚥下障害を持つ方々へのリハビリにおいて有効性が認められています。

むせることが多い私にうってつけです。生前、私の父も食事中にむせることが多く、ご飯粒が散弾銃のように飛散したものでした。

先日、ひげの部分が吹き戻しになっている「ひげメガネ」を親友からいただきました。使用する対象年齢が3歳以上となっていて、私の精神年齢にぴったり。親友の温かい気遣いを感じました。

(動画の一コマ)

吹き戻しの様子を自分で動画でも撮影。しかし、あまりにも面白すぎて、号泣県議さんの動画再生回数を超えるおそれがあるため、Youtubeへのアップは断念しました。

いい道具を入手し、ご満悦のだいこんくんなのでした。


(このかっぱえびせん、ほんとにやめられません)

給湯室に置いてあるポットにお湯がどのくらい残っているのか、女性職員が両手で抱えて軽く上下に振っていました。

その仕草を見て思いました。これは「目方でドーン!」ではないか。

1975(昭和50)年4月から1984(昭和59)年9月まで日本テレビ系列局で放送された視聴者参加型のバラエティ番組。栄枯盛衰の激しい放送業界において9年も続きました。

私は懐かしさにほだされ、その職員に「目方でドーン!」という番組を知っているか尋ねました。

「はぁ、なんでしょうか。わかりません」

平成生まれの職員に聞いたのが野暮でした。給湯室に一陣の寒い風が吹きました。

さて、「目方でドーン!」の出場者は新婚カップル。

大きな天秤ばかりの片方に女性を乗せます。男性がステージ内の品々を重さを勘案しながら選んで、天秤ばかりの片方に乗せていきます。

目方が女性の体重と合えばその商品がもらえるというシンプルな演出。小さいながらもラッキー商品などというものを潜り込ませる芸の細かさもありました。

確か視聴者はラッキー商品を知らされていたと記憶しています。

参加者は3分間という制限時間内で必死になってスタジオ内を駆け巡り、ほしい品物を選んでいきます。

ときに女性とアイコンタクトを取ります。首を縦に振ったりする様子が健気です。

重量は小さいが価値あるものもほしい...でもそれでは目方が足りない。重いものでは数が少なくて面白味がないなど、葛藤が演じられます。

いたって単純な仕掛けにもかかわらず、会場も視聴者もいっしょになって興奮したものでした。

モノを手に入れられれば幸せがやってくる。そう素直に信じられた昭和なひとときでした。

女性の目方と商品のそれが合ったときの歓喜。そして、外れたときの落胆。ミラーニューロンが120%躍動しました。

人間の欲望と打算が3分間に凝縮されてむき出しになる。それが「目方でドーン!」だったような気がします。

歳をとってきたのか、最近だいこんくんは思考が飛躍しがちです。ご了承ください。



(「みろく沢炭鉱資料館」本文とはぜんぜん関係ありません)

うたた寝していたら、自分のいびきで起きてしまいました。眠ると喉周りの筋肉が弛緩して気道が狭くなり、いびきが発生するのだそうで。

さて、私は昔からよく聞き間違いをしてきました。子ども頃、帰宅時に発する「ただいま〜」を「かだいま〜」と言っていました。

知り合った日系カナダ人の青年になにをしているのかと仕事について尋ねたところ、日本語で「ワタシ、ラクゴシテイマス」と返事がありました。

てっきり「落伍して」流浪の人生を歩んでいるのかと思いきや、「落語をしている」とのこと。

社会人になってからも聞き間違いは頻出。赤恥の数々は覚え切れません。職場のエレベーターの音声まで「誤解です」と聞こえる始末。5階です。

口唇の動きを注意深く見ているのですが、映画「2001年宇宙の旅」に出てくる人工知能「HAL9000」の読唇術のようにはいきません。

聴覚の未発達は言語処理能力にも影響するようですね。

というわけで、言い間違いの錬金術師・ナイツの動画サイトをご紹介します。

ナイツの言い間違いで覚える日本史 第4回「豊臣秀吉」

NHKオンラインで公式にアップしています。

それから、Yahooの動画サービスGyaO!でも「ナイツの大岡越前(悩)相談所2」というこれまでの芸風とは異なるお笑いを演じています。こちらはログインが必要。

連休最後の日の夕方は猛烈に憂鬱になるため、笑って過ごそうと思っているだいこんくんなのでした。


かつて、『広辞苑』と『コージ苑』が愛読書でした。

広辞苑は、まくらにするのにほどよい大きさで、読書時にわからない言葉に出合うと、広辞苑を開いて調べ、新聞紙になんどか書いて覚えるようにしていました。

ただ、私の後頭部は右側が陥没(自然由来による)しているので、長時間、広辞苑をまくらにしていると痛みを覚えました。

一方、コージ苑は、私の心のオアシスでした。

『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に1985年から1988年まで連載された、相原コージによる4コマギャグ漫画です。

当時人気を博したいわゆる「不条理マンガ」の元祖的な作品といえます。実存君の登場など、キャラ立ちが鮮やかで、読むものを飽きさせません。

タイ・バンコクに滞在しているときに単行本化され、たまたまタイに遊びに来るという友人の友人に単行本を買ってきてほしいと依頼しました。

それまでは、かなり遅れて入荷する毎週のビッグコミックスピリッツをバンコクの古本屋で立ち読みしては、店内で涙腺と腹筋に猛烈な圧力をかけながら、ひとり楽しんでいました。

あるときは、がまんできず店内に響く大きな声で笑ってしまいました。

ところで、女子学生だった友人の友人は、購入してからはじめて電車の中でコージ苑を開き、赤面してしまったそうです。こんな内容のものだとわかっていれば買わなかったと叱られました。

コージ苑の一コマ一コマは、だいこんくんのメンタルのベーシックな部分にいまもなお影響を及ぼしています。


※キャラ立ち(キャラだち)とは、自らの個性を際立たせ、1つの独立したキャラクターとして他者に認識させること。(出典:ウィキペディア)

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