(カフェは心のオアシス)

日暮れのカフェ。ほかに客はいません。店員さんが一人。

「あっ、いつもブログ、読んでいます」

「ありがとうございます」

「お店にベーグルは置いてありますか」

「以前はお出ししていたんですけど、いまは...。お客様へ新しいものと思っていた矢先でした。ベーグルもいいかもしれませんね」

「お店のことで前から気になっていたことがありました。それはロビーとの空間のつながりです。開放的過ぎるかなと」

「そうおっしゃるお客様もいます」

「カフェに求めるのは、第一に落ち着きであり、擬似の自分の空間です。その意味で背中がちょっと落ち着かないというか、仕切りか目隠しがほしいなと思います」

「わかります。カウンターと客席が対峙しているのもお客さんにとっては落ち着かないかもしれないですね」

いつしか私たちはカフェ談義に花が咲いてしまいました。私は提案しました。

「座ったときに顔が見えない程度の仕切りを設けるか、あるいは観葉植物を配置するのはどうでしょう」

話をしながら私は思いました。ここで「星々のつぶやき」読み聞かせができないか、と。このカフェで朗読会ができたらいいなぁと思い始めました。

「読み聞かせブログ」の誕生です。

きょうの午前中、仕事で中級音訳奉仕者養成講座閉講式で私はこのようにあいさついたしました。

「声の持つ力は想像以上に大きいのです。肉声が放つ豊かな創造性をみなさんは確信していただきたい」と。

というわけで、「読み聞かせブログ」という新たなジャンルを切り拓く決意が漲ってきました。


(何より構えがいい。緑色のラインもいい)

「『小京都と呼ばないで』。金沢市は、『小京都』のイメージを払拭(ふっしょく)するための会議『金沢らしさ検討プロジェクト』を始めた」(2017年9月13日/官庁速報)。

時事通信社の記事を見て、その通りだと思いました。かねてから「あやかる」という言葉が私は嫌いです。

正直、私もあやかりたいと思うことはあります。ああいいなぁあの人、と思うことも、もちろんあります。

改めて「あやかる」の意味を調べてみました。

「好ましい状態にある人の影響が及んで、自分も同じような状態になる。『あなたの幸運に―・りたい」(三省堂大辞林)。

てっきり「あやかる」は願うことかと思っていました。が、そのような状態になることを意味するのですね。これは発見です。

ともあれ、金沢市が小京都と呼ばれたくないという気持ち。わかります。

小京都と自ら呼んでしまった瞬間から、金沢市は京都よりは格下だと宣言しているようなものですから。

以前、星々のつぶやきの「東北の湘南」で私は述べました。東北地方には「東北の湘南」を標榜する自治体が少なくとも5自治体ある、と。

秋田県にかほ市、岩手県陸前高田市、宮城県亘理町、同山元町、福島県いわき市。

東北の湘南と称してしまった瞬間から本物の湘南以下だと認めていることになるのです。それは自慢でもなんでもありません。

当該地域が温暖だという意味で標榜しているのであれば、即刻やめた方がいい。

この「あやかり」根性を私は心から叩きのめしたい。そして、提唱したいのです。

九州の某市に「わが市は九州のいわき」と呼ばせ、関西の某町に「わが町は関西のいわき」と呼ばせ、関東の某市に「関東のいわき」と呼ばせしめるのです。

いま私の胸には恩師の言葉が蘇ってきます。ゼミ生が国際関係についてのレポートを発表したときのことでした。

「今後は環太平洋地域が世界の中心になっていく」と学生が述べたあと、恩師は言いました。

「いま、あなたがいるところが世界の中心なんですよ」


(何を話しかけているのか)

文字の力を感じました。要約筆記者養成講習会の閉講式に主催者として出席したときのことです。

要約筆記は、中途失聴者や難聴者のコミュニケーション保障の手段の一つです。手書きによる要約筆記とパソコンによる要約筆記があります。

修了最後の時限として、1時間の講演の音源を再生して書き取る研修がありました。30分を手書き要約筆記、残り30分をパソコン要約筆記によって行うというものです。今回の修了予定者は2名です。

始まる前、私は思いました。

パソコンの方が断然早いし、要約できるボリュームも多い。手書きはパソコン要約筆記に適わないだろう、と。

1時間の講演を聞き終わり、私は不思議な思いにとらわれました。

私は軽度の難聴です。補聴器をしていますが、顔が見えない音源再生だけの講演は聞き取りが難しい。なぜなら、口唇の動きを読み取りながら聞いているからです。

音源の再生が始まると案の定、2割程度しか理解できません。

まさに要約筆記が必要としている状態です。

手書き要約筆記は、確かに遅い。

しかし、研修の賜物でしょう。余計な情報が削ぎ落とされ、言葉が文字通り「要約」されているのです。しっかりと講師の言わんとすることが伝わってきました。何よりも手書きの持つ味わいが温かさを添えていました。

後半の30分はパソコン要約筆記です。手書き要約筆記とくらべボリュームが格段に増えました。手書きよりも誤字は減っています。

だからと言って、必ずしも理解しやすいかというと、そうでもないのです。話者の言葉を忠実に再現しようと要約筆記者は努力しています。

ところが、要約の度合いは手書きと比較して格段に落ちているのを感じました。また、パソコンの文字を投影した文字は読みやすいものの、無機質さは否めませんでした。

結果として、手書き要約筆記の方がより伝わってきたと言えます。

そのことを要約筆記者講習会の講師に伝えました。

「そうなんです。パソコン、イコール優れているとは限らないのです。ですから、会では要約筆記の依頼を受けるとできる限り手書き要約筆記で行うようにしています」

そのような答えが返ってきました。

文字の持つ不思議な力を垣間見た思いがします。


(宇宙と同じ名前のコスモス)

選挙事務の一日でした。ほどよい暑さの中、物憂い午後の3時過ぎのことです。目が開いたまま、一瞬夢を見てしまいました。

意識が遠のく経験はたびたびあります。3年前の12月14日施行の衆議院総選挙。寒すぎて、新田次郎著『八甲田山死の彷徨』の場面が次から次と浮かんできました。

詳細は「寒さに震えながら考えたこと」を参照ください。

今回、開票事務も行いました。年々、事務を行う人が減っているようで、昔から従事している老壮年代が活躍しています。うわによると若い職員が忌避しているとのこと。

さて、開票所である総合体育館に到着。ふと、周りの職員の服装を見ると、ほとんど紺のスラックスに白のワイシャツ。私は警察官の制服によく似た青色のシャツに茶色のチノパン。

ありぁ、なんかお達しがあったっけ、と思いました。そういえば、ポロシャツやアロハはダメとのお触れが回ってきたを思い出しました。

私、思うんです。日本人のここが怖いなって。思考なしで行動できる日本人の怖さです。「何のため」という思考が欠落しているように思います。

アロハを着ろと言われれば、みんなアロハシャツを着て仕事をする。市議会でもアロハシャツを着ての「アロハ議会」が話題になりました。

選挙は厳粛な場なのでアロハはダメ。意味するところはわかります。では、厳粛な場であるはずの市議会の議場はいいのでしょうか。

お上からこうしろと言われると、瞬時にそうする。ダメと言われると、即座にそうする。ここが怖いんです。思考しない日本人のここが。

というわけで、岸見一郎/古賀史健著『嫌われる勇気』をこれから読もうと思います。心理学者のアドラーは嫌われる勇気を持てと訴えています。

ため池のザリガニのように背中を丸めながら逃げてばかりの私。ちっとも勇気がありません。


(ウキクサの競演。世界一小さな花を咲かせます)

あるコンビニ大手では業績不振に陥った店舗があると真っ先に行うことがあるという。それは清掃指導です。

店内の清掃を徹底して行うようにするのだと聞きました。コンビニでは汚いけど売れている、“きたなシュラン”はあり得ないのでしょうね。

次元は異なりますが、中学・高校生のとき試験前になると私は部屋の掃除をしたものでした。机の上や周囲を整理整頓し、気持ちもすっきり。

身辺がきれいになったところで、さあ勉強しよう。そう思うのですが、それができない。

勉強すればいいのに私がしたことは、読書でした。試験前になるとなぜか本が読みたくなる。小説を読み出し、止まらなくなる。

本道を歩めず脇道にそれる癖はこの頃に身に付いたようです。

「星々のつぶやき」もつねに脱線ばかりしています。申し訳ありません。

ところで、まちは選挙の宣伝カーから候補者の名前が連呼されています。3人の候補者は4年前の前回と同じ顔触れ。

選ぶ基準を持たねばと思いつつ、確たる物差しを持たずに今日まで至ります。基準がないと頭の中が混沌とし、思考が整理整頓できません。

人を見る物差しがほしい。そんなふうに思っていたら松下幸之助氏の言葉が蘇ってきました。

「あんさんは運がよろしいか」

松下電器に入社しようとする人に対して松下氏はこう尋ねたという。運が強いと思うか、と。そして「運が悪い」と答えた人は不採用だったそうです。

この質問を仮に3人の候補者に投げかけたらどんな答えが返ってくるだろうか。想像すると、なんとなく見えてくるものがあります。

私はどうか、ですか。言わずもがなです。


(山の端の残照が好きです)

声に出して読んだとき味わいのあるものに。そんな思いで「星々のつぶやき」は綴っています。

ただ、私のだみ声では興ざめです。幼いときにアデノイド(咽頭扁桃)を摘出し、高校2年の夏に扁桃腺を取りました。

今度生まれ変わるときは美声の主になりたいと願っています。歌の上手な人を羨ましく思います。子どものころ「音痴」は心理的重圧でした。

閑話休題。本年6月、ある勉強会で朗読のプロフェッショナルの方とお会いする機会がありました。美しい声、明瞭で柔らかい語り。

この方に「星々のつぶやき」を朗読していただきたい。即座に思いました。


(蛙は鳴りを潜め、虫たちの歌声が響く草むら)

8月いっぱいまで忙しいという。

「秋の虫が鳴くころにご連絡しますね」と私は申し上げました。出会いから3か月が過ぎました。

そろそろ連絡を取ってみようと思います。

5編程度の朗読と昼食。10名ほどの小さな小さな朗読会。1千数百のつぶやきから何を選ぶか。秋の夜長の楽しい宿題です。

ついに夢見た「星々のつぶやき」オフ会を今秋催したいと思っています。場所は森の中のあのカフェがいいなぁ。目下夢想中です。


(猫じゃらし)

少し古い石と比較的新しい石。発掘された地層はほとんど同じです。もちろん石自体に個性もあるので新旧以外にも特色はあります。

もう一つの石は他の二つとはタイプが違います。

二つの意味で新しい。一つは古くないという意味で、さらに旧式ではないという意味でも新しい。

三つの石、いずれも御利益があるという。それぞれ他の二つといかに違うかを訴えています。

どんな利益を出せるか。その「どんな」を競っています。

「どんな」とは、AかBかCかの選択の違いなので可変です。変わり得ます。

ですから、どの石でもある意味で同じと言えます。

じつは「どんな」をもって判断することはある程度は参考にはなり得ても、可変であるゆえ、決定打にはなりません。

重要なのは、「どのように」というプロセスであり、マネジメントであろうと思います。御利益を出すためにどう人を動かすのか。そのダイナミズムがあるのかどうか。

そこが問われているのです。

かつて、生命保険の営業職にあったとき訪問先の遺跡発掘業を営む社長さんが語っていました。

「ここはね、遺跡はいっぱい出るんだよ。あちこちにあるんだ。だけど、みんな小粒なんだよね。ここを大きく統一するような大きな人はいなかったんだろうね」

「何を」ではなく、石自体が持つ力を見極める必要があると思っています。大きいのかどうかということです。

案外に大きさにはさほどの違いはないのかもしれません。


(読書の際の私の特等席)

「月刊みんなねっと」(公益社団法人 全国精神保健福祉会連合会発行)通巻第125号(2017年9月号)が職場で回覧されてきました。A5判の40頁ほどの冊子です。

前月号につづき、特集「みんなねっとフォーラム 夏苅郁子先生講演録」を楽しみにしていました。今号は「その3」です。

「現在言われている病気の原因は、あくまで仮説です。知識の一端として利用しながら、どうか、快復には科学でははかれない予想外の展開もあることも心に留めてほしいです」

「そして、世間や医学が決めた快復だけにこだわらず、本人が自分で考えた快復にも価値があると、どうか、自信をもってほしいです」

医師としてなかなか言えない言葉です。

夏苅さんは、大量の薬を飲んで自殺をしようとした自身の体験を披瀝します。もう一度自殺を試みたとき、少し前に同僚の医師が自殺したのだという。

生々しい索条痕のある同僚の遺体と対面します。

「あとでご両親が来て、彼女の遺体を見ました。その場面は、忘れることができず、自分にはとてもできないと思いました」

では、夏苅さんはどのようにして快復したのか。そのきっかけは何だったのか。

「私の人生で一番助けになった人。それは、親でも医療者でもなくて、ごくごく一般の方々でした。他人の助けが人生を変えました。(中略)そして、人の次に助けになったのは、時間だったんです」

人の支えと時間は薬だという夏苅さん。

「おそらく長ーい時間と休息の間に、自分でも気づかない変化が起きたのかもしれないと思います。その後も、人との出会いで私は快復しましたが、その根底にあるのは、決して何か特別なきっかけではないんです」

10年近く前、私自身がうつになった経験からも心から納得する言葉です。

「あてはないけれど待つ。快復にはこうした強さが必要なのかなと思います。納得する、信頼できる人に相談できる、孤立させない仲間がいる、時間がそれをその人が快復するまで周囲が焦らず待つこと」

待つことは最大の支援だと訴える夏苅さんの考えに心から賛同します。

先週出版された夏苅さんの新著『人は、人を浴びて人になる ― 心の病にかかった精神科医の人生をつないでくれた12の出会い』。

さっそく注文。楽しみです。


(実るほど頭を垂れる稲穂かな)

「頑丈な建物や地下に避難して下さい」。ガセじゃないのか。防災速報のアラームが鳴ったとき初めに思ったことはそれです。

家は木造家屋。マッハ20で飛んでくるミサイルを跳ね返すような建物ではありません。地下もありません。

1.5キロ先に中学校があります。学校ははたして頑丈な建物なのでしょうか。

1945(昭和20)年7月26日、平第一国民学校(現 平第一小学校)は、米軍のB29爆撃機が投下した一つの爆弾で倒壊してしまいました。

生徒は避難していて全員無事でしたが、校長と教諭の3名が犠牲になりました。

そんなことを思いながら、家の周りを見れば一面田んぼです。季節は実りの秋。稲穂が揺れています。

「カリアゲ君はかまってほしいのかなぁ。与党側は10月の衆議院補選で有利になるかも」

そんなことを思いながら、歯を磨き始めました。

テレビでは日本上空を通過し太平洋沖にミサイルが落下したと報じています。襟裳岬のはるか東に落ちたらしい。

「♪わずらわしさだけをくるくるかきまわして/通りすぎた夏のにおい」(森進一「襟裳岬」)

ほどなくしてJR東日本のアプリから通知がありました。通勤で利用している磐越東線が線路の点検のため運行休止とのこと。

「お父さん、学校、休校になるかな」

「なんねーべ。だって、太平洋戦争のときだってみんな学校に行っていたもの」

高校生の息子は残念そうな顔をしていました。

というわけで、きょうは29日で肉の日。駅前の再開発ビル「ラトブ」1階の肉屋さんは29パーセント割引です。


(カフェは水の入ったグラスが似合う)

図書館にて吉田麻子著『小説でわかる名著「経営者の条件」人生を変えるドラッガー』を読了。その後、同図書館主催の上映会に参加。そして夜は小さな勉強会に。

『小説でわかる名著「経営者の条件」人生を変えるドラッガー』は、ある読書会の課題図書です。知人に勉強会への参加を勧められました。

著者は眼光紙背に徹する思いでP・ドラッカー著『経営者の条件』を読んだのでしょう。良書だと感じました。

単にドラッカーをわかりやすく、物語風に描いたというのではなくして、ドラッカーが何を訴えようとしたのか、その真の目的に肉薄しようとの試みを感じました。

図書館での上映作品は「氷雪の門/樺太1945年 夏」でした。いわゆる「真岡郵便電信局事件」を扱った作品です。ドキュメンタリーではなく脚色を交えての物語といってよいでしょう。

樺太は当時日本領でした。1945(昭和20)年8月15日以後も日本軍とソ連軍との戦闘が続いていました。

真岡郵便局の電話交換手は疎開ぜず業務に当たる中、8月20日に真岡にソ連軍が上陸。女性電話交換手12名のうち10名が局内で自決を図り、9名が死亡したという事件です。

昨今、レッドラインとかチキンレースといった、どこか上滑りしたテレビのワイドショーのような感覚で、戦争を他人事のように感じている自分がいました。

同映画を見て自らを省みました。

戦争ほどむごたらしいものはなく、悲惨なものはない。戦争とは、リアルに肉親が死ぬ、いや、殺されることである、と実感しました。

夜は知人主催の小さな勉強会に参加。地元の大学の先生を講師に招いてのお話でした。


(読みやすい本です)

スマホの電話料金がなぜ高いのか、格安スマホとは何なのかといった話題からふるさと納税のメリット、ネットバンキングの利点等これまで触れたことのない知見を得ることができました。

勉強会に参加して思いました。

知らないということのおそろしさです。知る者と知らざる者との格差は広がるばかり。

読書によって自ら一次情報を得る地道な努力も必要なことでしょう。

今月は夏休みもあり現時点で7冊を読み終えました。でも、頑張っても月に10冊がいいところです。ちなみに7冊目は橳島次郎著『これからの死に方』でした。

やはり思うのです。

一次情報としての書籍を読む努力を重ねつつも、人の出会いが大事である。つまり、「知っている人を知る」ということが並行して必要なのではないか。

わからないことがあったら知っている人に教えてもらえばいいのです。

己ひとりが知ることのできる範囲は極めて狭い。時間も限られています。いつの間にか半世紀も過ぎてしまいました。あと何年生きられるのか。

今後は、「知っている人を知る」営みにも力を入れていきたい。そんなふうに思った学びの土曜日でした。

美味しい店を知っている人、特に繋がっていきたいと切に願っています。


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