- 2018.05.09 Wednesday
兄と妹の会話(10)
(ここで妄想してネットにアップしています)
「兄と妹の会話」は時々ノンフィクションに思えることがあります。でも、フィクションです。
「欧州は必死になってイラン核合意を守ろうとしている。核開発を完全阻止する内容にはなっていないにもかかわらずだ」
「どうしてなの、お兄ちゃん」
「中東は地続きの彼らの庭なのだ。いったん混乱が起きればシリア内戦で見られるように難民が押し寄せてくる。ISの影響を受けたテロリストが流入してくる。肌感覚で脅威を感じるのだ。半島にいるおれにはそれがわかる」
「アメリカは中東の混乱を脅威と感じなくなったということ?」
「そうだ。票になるかどうかが第一基準になりつつある。事務レベルで地道な交渉の積み上げをするといった、七面倒なことを厭うようになった。そういった傾向はネオコン派の大統領の系譜と言ってよいだろう。中東の混乱を脅威に思わなくなった理由は何だと思う?」
(1杯220円のオアシス。周りは人の砂漠。あゝあなたがいれば怖くはないわ)
「石油かしら」
「そうだ。シェールガス革命だ。もはやアメリカはエネルギー輸出国だ。中東に依存する必要はない。混乱してもいいのだ。否、むしろ混乱を期待しているふしがある。混乱に期待していると言った方がいいかもしれない。その証拠にマーケットに大きな動揺はない」
「どういうこと」
「核合意破棄となればイランは石油の輸出が制限される。そうすれば原油価格が上昇する。連動してシェールガスも価格が上がる。価格が上昇すれば採掘困難な場所でもさらなる投資が可能となり、一層採掘できる。中東に一悶着あり混乱すればするほど原油価格が上がる。それを期待しているのではないかとおれは見ている」
「あこぎな大統領ね、トランプという男は」
「あいつは七面倒な交渉や精緻な合意は苦手だ。嫌いだ。報告を聞くのも嫌いだから国務省の外交官にも委ねない。トップセールスで白か黒かを決めたがる。そこをよくわきまえ姑息な交渉は避ける必要がある」
「お兄ちゃん、大丈夫なの」
はたしてお兄ちゃんは大丈夫なのでしょうか。打つ手はあるのでしょうか。
つづくかも
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