(グイティアオ。新宿ルミネ1のタイ料理店カオサンにて)

旧友がベトナムとカナダからそれぞれ来日。2週続けて上京しました。

ベトナムの友とは新宿駅近くの居酒屋で会いました。3年前の6月以来の再会です。3年前のときも、その前のときもこちらがご馳走になり、今回もまた払わせてもらえませんでした。

会うたびに職業を尋ねるのですが、いつもはぐらかされてしまいます。教えてくれません。変な裏稼業をしているのでは、と勘ぐってしまいます。

出会いは、33年前。同じ学部学科で、すぐに仲良くなりました。ボートピープルとして来日。9歳年上には見えない若々しさがありました。

今年還暦を迎えたとのこと。驚きました。私の年齢に9歳を加えるのですから、60歳になっているのは当たり前なのですが...。信じられません。いまもなお溌剌としています。

授業の教科書や歴史・政治・文化・時事・小説など幅広い分野の書籍の読み合わせを在学中毎週のようにやっていました。

言葉の意味はもちろんのこと、著者の言わんとすることに対する疑問などについても議論をしました。ときには見解が相違し、夜を徹しての熱い語らいになりました。

当初は日本語を教えてほしいという友からの依頼で始まった読み合わせ。

言葉の意味や用法を「外国語としての日本語」という視点に立って考える貴重な機会となりました。いまとなっては教えていた側の私の方こそ感謝の思いでいっぱいです。

いにしえの聖哲の言葉が蘇ります。「人のために火をともせば・我がまへあきらかなるがごとし」

カナダの友とは京王プラザホテルの地階の一角で再会。16年前の来日以来です。そもそもは22年前に研修のためモントリオール大学に派遣されていた際に知り合いました。

英仏両方の言葉に堪能な彼に英語の個人教授をお願いしました。彼の自宅やカフェで英作文の手直しを中心に教えてもらいました。いまでは懐かしい思い出です。

ホテルのロビーで出会った瞬間、お互い同じこと言葉を発しました。

「変わらないね」

抱き合いながら旧交を温めました。

使っている鍬は光る。裏を返せば、使わなければ錆びれる。それが言葉です。

「震災後のいわきの状況はどうか。人々はどうしているのか」

言いたいことはたくさんあるのに、出てこない。もどかしい。

でも、私たちには言葉を越えて分かり合える何かがあります。夾雑物(きょうざつぶつ)はない。

彼はいま第二言語としての英語をフランス系住民に教えているという。彼にぴったりな立場だと思いました。

午前零時になろうとしたとき、警備員が私たちの座っている陶器のテーブルセットに近づいてきました。そしてテーブルの上の紙製の説明書きをとんとんと叩くのです。

よく見るとそれは値札でした。私たちがくつろいでいた陶器のセットは売り物で、100万円を超える値が付いていました。

ちょうどいい頃合いです。再会を約し、固いを握手を交わして別れました。

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