(楢葉町天神岬から太平洋を望む)

第7話からつづく)

前号で「君、1年間、カナダに行ってみないか」と職場の他部署の課長から話があったことを述べました。そのときから時計を半年ほど戻します。

妻とともに私はタイ・バンコクを訪れました。バンコク郊外の川沿いのひなびたレストランでタイ保健省の知人と再会。

大学院への留学を断念し、5年前にバンコクを離れるときにその知人に「新婚旅行でタイにまたいっらしゃい」と励ましを受けました(註 第3話)。

私はその約束を果たすためにタイを訪れたことを伝えました。そして、両親が亡くなってから現在に至るまでのことを認(したた)めた手紙を渡しました。

読み終えると、知人は私の目を見つめ、ぎゅっと私の手を力強く、しかも長い時間、握ってくれました。

「わかったよ。大変だったね」

そんなメッセージが手の温もりから伝わってきました。心の中からなにか熱いものがこみ上げてきました。

「再び約束をしよう。君に子どもができたら、また家族でタイにいらっしゃい」

「わかりました。また参ります」

さて、突然、他部署の課長から話のあったカナダ行きの件に戻します。

「カナダのモントリオール大学とうちの市役所が交流協定を結ぶことになったんだけど、こちからも職員を派遣することになったんだ」

「海外の大学と市役所が交流するんですか。珍しいですね」

「それで、君はどうかねと思って。英語を勉強しているよね」

「あ、はい」

自動車学校でドイツ留学を目指しているおじさん(註 第4話)に激励されて以来、私はアメリカ人の英語塾に毎週通っていました。

しかし、あえて秘密にしていたわけではないものの、職場には英語塾のことは誰にも話していませんでした。

なぜ、英語を勉強していることを知っているのだろう。身上調査をされていたのだろうか。

それはともかく、カナダのモントリオール大学に行ってみないかとの誘いの声が頭の中で何度もこだまして離れません。

またもや海の向こうの躍動感が蘇ってきました。

第9話へつづく)

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母恋し 墓標に語れば 風の声

昨日の夕暮れ時。ひとり墓参りに行ってきました。
聞きたいこと話したいこと、漫談の如く一人ペラペラと話してみましたが、母はじめ誰も語らなんだ…(笑)

ついでだから母の歳を超えたことを報告してきました✌

北風ぴーぷー寒かったぜよ🤧🍂
  • おこちゃん
  • 2017/03/01 13:28
おこちゃん 様 ご愛読くださりありがとうございます。寒風の中墓参されたとのこと、齢を重ね寒さも染みたことでしょう。

母上はにっこりと微笑んで見守っていることと確信いたします。
  • だいこんくん
  • 2017/03/01 19:06





   

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