(昨日と同じような写真です)

「美味しい」と心の底から感じた思い出は、これまで生涯で3回ほどあります。1回目は中学3年生のとき。2回目は大学1年生、そして3回目は4年生のときです。

中体連(卓球)東北大会の会場は岩手県大船渡市でした。大会数日前から高熱を発し学校を休んでいました。

が、私が出場しないと団体戦が成立しないため、熱を帯びたまま両親の看護のもと大船渡に向かいました。

数日間、食欲がなくほとんど食事をしませんでした。一ノ関から大船渡線に乗り換えました。

車中でどういうわけか、なめこ汁が販売されていました。なめこ汁なら飲めそうな気がし、母に頼んで注文。

なめこ汁を口にした瞬間、こんな美味しいなめこ汁があるのか、と思うほど。まさに五臓六腑になめこ汁が染み渡りました。

大船渡駅前の喫茶店で食べた塩味の利いたトマトサンドイッチも忘れられません。ずいぶんと体力が復活したような気がしました。

でも、試合は負けました。

美味しい思い出の2回目は、お金がなく2日間、食事をしていなかったときのことです。母親が手作りの梅干を寮に送ってくれました。

さっそくご飯を炊いて、その梅干で食べました。この世にこんな美味しい梅干があったのか、と感動すら覚えました。

最後の美味しい思い出は大学4年生のとき、タイ留学中での出来事です。

南部のソンクラー県ハジャイを旅したとき、宿泊先で日本人の駐在員と出会いました。大手缶詰メーカーに勤めているという。

翌日、ハジャイ市内のシーチキン製造工場に案内してもらいました。

ブラックライトの下で女性の従業員が手作業で小骨を取り除いていました。骨は紫外線に当たると発光するのです。

できたてのシーチキン缶詰をその場でいただきました。もう、ぎゃお〜っと叫びたいほどの美味しさでした。できたてはまったく違うのです。

ぬめっとした生気を失ったいつものシーチキンとは似ても似つかぬ味わい。シーチキンとは別物だと感じました。

というわけで、以上が生涯で美味しいと心の底から感じた思い出の陳述でした。

最後の思い出からかれこれ30年が経過しようとしています。「飢餓状態」が美味しさのポイントなのだろうことは薄々わかってきました。

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