- 2017.08.02 Wednesday
忘れ得ぬ言葉
(「時季の森」にて)
思いは、言葉となって紡ぎ出されます。沁み渡る言葉は生きる勇気を与えてくれます。あなたの生きる力になることを願って書き留めます。
卒業間近。両親の病により当初の夢をあきらめ、帰郷しようと決めたときのKさんの言葉。
「好きな道をあきらめてはいけない。でも、行く道を好きになることもできるからね」
いまになってわかります。Kさんは好きな道を行けなかったのだ、と。
帰郷し両親を看病するかたわら、自動車教習所に通っていたときに出会ったMさんの言葉。
「語学は石にかじりついてでもやり続けなさい」
Mさんの励ましのお蔭で、いまも出勤時タイ語のテキストを聴きながら歩いています。当時Mさんは60歳前後。それでもドイツ語を毎朝勉強していました。
肺に非結核性の陰影があり精密検査を受けていたときのYさんとNさんの言葉。
(「時季の森」にて)
看護師のYさん曰く。「絶対に大丈夫。治るよ」
主治医ががんと診断しているにもかかわらず呼吸器病棟の婦長(当時)のYさんの言葉は一筋の光明でした。
Nさんの言葉は叱咤でした。「肺に影があるくらいで弱気になっちゃいけない」
病魔に食い破られていた私の心を奮い立たせてくれました。
上司との人間関係に悩み、うつ病を発症。死ぬことばかり考えていたころのYさんの言葉。
「夏は暑い。夏が暑いことを嘆いてもしょうがない。相手を変えようと思うのではなく、そういうものなのだと受け容れることです」
「夏は暑い」--- この言葉によって救われました。
同じ時期、尊敬する元上司のSさんがしんみりと語ってくれました。
「大変なところで頑張るのも大事だぞ」
私もまた相手に響く言葉を紡ぎ出していきたい。裏山のヒグラシの声を聞きながら、そう思う夏の夕べでした。
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- by だいこんくん