(カエルの目線で撮ってみました)

高校2年生ときからマスターに髪を切ってもらってきました。もう35年になるでしょうか。この夏、マスターが突然亡くなりました。

心にぽっかりと穴が開いたようです。先月も当たり前のように整髪してもらいました。マスターとのたわいもない会話が大好きでした。

柔和な笑顔で私の話に相槌を打ち、そしてさりげなく私の近況を尋ねてくれました。

いま思えば、マスターは軽い咳をしていました。でも、肺を患っているとは知りませんでした。

次の月も当たり前のようにマスターに切ってもらえるものと信じて疑いませんでした。

当たり前に思っていること。じつは当たり前じゃないのですね。

庭に植えたナスが毎日のように実ります。有難いことだと心から思うようになりました。

ナスの実を採るとき、心の中で「ありがとう」とつぶやいています。ナスに包丁を入れるとき、「いただきますね」と心の中で声をかけます。

毎朝、山の端から太陽が昇ること。土手の上を風が吹くこと。田んぼの稲穂が出ること。カエルが鳴くこと。

全部、当たり前ではないのだと思うようになりました。

両親の亡くなった年齢に近づくにつれて日に日にその思いが強くなってきます。

映画「ふるさとがえり」の中で主人公の勘治が「ちゃんと生きよう」とつぶやくシーンがあります。一番心打たれる場面です。

私ももう少しちゃんと生きようと思います。

今夕は人生の大先輩と焼き鳥屋さんで懇親会です。まずはちゃんと飲もうと思います。

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