(酒縁てる)

元の職場の仲間と懇親の一席。お店はかねてから行きたいと思っていた「酒縁てる」。

JR常磐線泉駅を降りてすぐの場所です。本年5月にオープンしました。

いわき駅で乗車し泉駅で降車。地元で電車を使って飲みに行くのは新鮮な感覚です。

席はカウンターのみ。ご夫婦で切り盛りしている素敵なお店です。

お通しはポテトサラダと鯨カツ(たぶん)。そのあと出されたのは、もずくの天ぷらでした。

外側はほどよくカリッと揚がり、中身はあくまでもほくほくとしている。どんどん口に入れてしまいます。塩で食べるのもよし、大根おろしを入れた天つゆでもよし。

もずくの天ぷらは揚げるのが意外に難しい。

私自身何度か試しているものの、納得のいく仕上がりになりません。大将の知人はもずくを揚げている最中に爆発させてしまったそうです。

大将曰く。このところの台風の影響で海がしけているため、水揚げが少ない。納得のいく魚を求めて、わざわざ市内の港を歩いて“常磐もの”を探したのだという。

「お店の名前の文字がいいですね。どなたかに書いてもらったのですか」

「地元の書家に書いてもらったんです」

「やわらかくていい字ですね」

「気に入っています。じつは200枚ほど書いてもらって、そこから消去法でこの字を選んだのです」

「200枚とはすごいですね。プロはやっぱりすごいですね」

次にお造りが出されました。

“常磐もの”のイシモチの刺身を初めて食べました。いままで塩焼きででしか食べたことのなかったイシモチ。刺身もまた美味しい。

「さっきの200枚の話で思い出したんですけど、以前、日経新聞の記者さんにこんなことを聞いたんです」と私が大将に話し始めました。

「取材のためこちらに記者さんが来たときです。カメラマンも随行して来ました。記者とカメラマンの2人体制ですけど、記者が撮影することはないんですか、と」

「あるのはあるけど、基本的には写真はカメラマンが撮る、というんです。で、カメラマンと記者が写す写真は何が違うんですか、って聞いたんです」


「答えは、枚数です、と。1枚の写真のために、数百枚撮るのだそうです」

次に出てきたのは鯛(花鯛でしょうか)の奉書焼き。

厚みのある昆布で身を包み、さらに奉書で包む。それをこんなにと思うほどの大量の塩の中に埋めて蒸し焼きにしたものです。

昆布と鯛の旨味が淡い塩味によって引き出されています。嗚呼、熱々の白いご飯がほしい。

炭水化物チストを自認する私は、本当に美味しい肴が出てくると白いご飯で食べたくなるのです。

時計を見ると下り列車の時間です。楽しい時間は過ぎるのが早い。またお邪魔したいと思います。

ちなみに「酒縁てる」の向かいには私の心の中のプリンランキング1位の関根菓子店があります。

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