鉄道通勤の私は駅周辺の赤ちょうちんの誘惑につねにさらされています。赤ちょうちんを見ると、心のネクタイを外して、くつろぎたくなります。

赤地に黒文字の現在のスタイルの赤ちょうちんは江戸中期にはあったようです。

なぜ赤なのでしょうか。青や緑ではダメなのでしょうか。

桜でんぶも桜色だから食欲が湧きますけど、緑色だったらちょっといやですね。

赤色は何を意味するのでしょうか。胎内を想起させるのではないかと思います。赤は血潮なのです。

赤ちょうちんは、母の胎内に戻りたいという人間ならではの帰巣本能をくすぐっているのかもしれません。

くつろぎ、心を裸にし酔う。今週末は負けそうです。





マッチとローソクの缶詰をいただきました。Made in Japanです。マッチが2箱とローソク2個が入っています。

発売元は、社団法人日本燐寸工業会。どこにあるのかと思ったら神戸市にあるのですね。明治時代、兵庫県はマッチ製造で栄えたことを知りました。

現在でも兵庫県が全国のマッチ生産量の90%を占めています。

マッチと言えば、小学校に入ったばかりのころ苦い思い出があります。

私は火遊びが好きで、よくマッチを持ち出しては社宅の物置の陰で葉っぱを燃やしていました。

火を見ると神秘的な気持ちになったものです。ですから、ゾロアスター教が生まれたことも理解できます。

マッチの減りが早いことを知った母から問いただされました。

マッチを持ち出してなんかいないと私は生まれてはじめて母にうそをつきました。うそがばれ、母におしりを思いっきりたたかれました。後に先にも親にたたかれたのはそのときだけでした。

マッチとローソクの缶詰を見詰めながら火遊び時代のことを思い出していました。


友人の住むまちをそぞろ歩いていたところ、鰹節店を紹介されました。削り節を量り売りするお店です。

私の地元には鰹節店などありません。静かな感動が胸に広がりました。友人も買いに来るそうです。

そのような店があるということは、削り節を使ってきちんと出汁を取る人がいることを意味します。

専門店が存在するということは、真の意味で買い支える人がいるということです。

湿気を嫌い、扱いに神経を使う鰹節(削り節)を量り売りする店のこだわりと専門店を大切にするまちの人々の心意気。

このまちに「本物」を見た思いがしました。


去年(こぞ)の蔦(つた) 甦らせて 鉄線花(てっせんか)

30年前くらいでしょうか。春先に亡き母と庭の手入れをしていました。

なにやら枯れた蔓性の植物があり、鎌で切ろうとしたところ、母から、その植物は鉄線といって枯れているように見えるけど、夏になったら花を咲かすんだよ。だから切ってはいけないよと言われました。

なぜか、そのありふれたやり取りがいつまでも心に残っています。そのことを17年前に句会に入っていたときに詠みました。俳句の雑誌にまで取り上げてもらいました。

人間も枯れそうになっても、鉄線花のように甦ろうという生命力を秘めていると思うのです。

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