(本文とは関係ありません)

5千円紙幣はこれまで3種類が発行されています。肖像画でいうと、聖徳太子、新渡戸稲造、そして現在の樋口一葉。

日本銀行券の表面の肖像に女性が描かれるのは樋口一葉が初めてなのだそうです。

さて、先日、歯科医の先生と5千円の重みをめぐって話が弾みました。

「宴会の相場の5千円という金額はけっして安いものではないと思うのです。サラリーマン家庭で育った私はいまもそのような感覚を持っています」

正直私は驚きました。歯科医といえば高額所得者の代名詞といってもいいでしょう。見た目で判断してはいけないと思いました。

振り返れば、宴会料理というものを経験したのは、大学1年のサークルの合宿のとき。箱根の「雀のお宿 春光荘」という茅葺屋根の興趣に富んだ宿でのことです。

ご馳走がお膳に並んでいました。

腹を空かした私はご飯がないことに気づき、仲居さんにご飯を頼んだところ、最後に出すというのです。

不満でした。美味しそうな料理の数々を真っ白なご飯で腹いっぱい食べたいと思いました。

大人はアルコールだけでこれらの料理を食べるんだ!「贅沢」というものを知った瞬間だったかもしれません。

部屋に戻るとコイン式の有料テレビに先輩たちが群がっていました。30年前の100円は貴重です。緊張が走ります。

翌朝、「まさか、だいこんくんも男子のみんなと見たのぉ」と女子の先輩に悲痛な表情で悲しまれました。

なにか罪なことをしてしまったようです。

コイン落つときめく春の光かな


京王八王子駅前のラーメン店で4人席のテーブルでひとりでラーメンを食べていました。28年前の4月末日のことです。

少しして一組の男女と相席になりました。男性は30代後半、女性は50代に見えました。二人は味噌ラーメンを食べています。会話を聞くと日本語ではありません。

その頃学び始めたタイ語に似ていると感じました。私は二人の会話にじっと耳を澄ませました。心臓の鼓動が高鳴り、ラーメンの味がわからなくなっていました。

「khun pen khon thai chai mai khrap」(タイ人ではありませんか)

私の発したタイ語に目の前の二人が驚いた表情で反応しました。

二人はタイ政府の派遣でJICA八王子の研修センター(現「東京国際センター八王子別館」)に来ていたのです。タイに来ることがあればぜひ連絡を、と男性のJさんから名刺をいただきました。

その出会いから2年後、私はバンコクにあるタマサート大学に留学。タイ厚生省職員のJさんに連絡しました。

Jさんご一家と歓談した折、私の進路のことが話題になりました。将来、タマサート大学の大学院に進学したいとJさんに伝えました。

当時、タイの大学院進学はいろんな意味で困難も予想され、自分の進路に一抹の不安を感じていました。Jさんは私の言葉を聞いたあと、予想もしなかったことを明かすのです。

「じつは私の父はタマサート大学の学長を務めていたことがあるんですよ」

よく話を伺うと、学長を務めたあと首相となった有名な方です。私が留学していた当時は枢密院議長を務めていました。

(つづきは来年の4月30日にアップします)


(記憶力を弱くする酒。好きです)

(からつづく)
一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏は述べています。人は、場所の記憶はあいまいになるが、時間の記憶(いつの出来事なのか)は覚えているものだと。

確かに、書類をどこにしまったのか、よく探します。同氏のベストセラー『「超」整理法』の重要なポイントは「一か所主義」といえるでしょう。一か所にすべてを集中させ、分類しない。

たとえば、あのときの講師、名前が思い出せないなぁというときでも、おおよその年月は覚えているものです。キーワードで検索できなくても、月単位でファイルをたどっていけば探し当てられます。一か所主義の長所です。

ところで、あなたは上司からの指示や依頼を受けたことをどんなふうにメモしていますか。

付箋を使う方が多いと思います。私も強粘着の付箋(医療現場で使われる粘着力の強いもの)に書いて、パソコン画面の外枠に貼っています。

加えて、日誌に赤い字にして書いておきます。たとえば、こんなふうにです。用が完了すれば、赤い字を黒い字に戻します。赤色はペンディング(保留中)ということです。

午前10時5分、吉本興業から電話。だいこんくんのプロフィールを送ってほしいと依頼を受ける。
午前11時30分、○○部長から指示。あさっての会議でのあいさつの手持ち資料を今日中に作成するように。
午前11時50分、ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授から電話。本県の児童生徒数の推移データを提供してほしいとの依頼を受ける。


じつは、この日誌の書き方を実践する愛弟子が世界に一人だけいます。

私は過去に起きたことを履歴風に記載しているのですが、愛弟子は、予定されている行事や打合せ等についてあらかじめ日誌に書いておくというのです。

私も愛弟子にならってそのようにするようになりました。

ワード文書を月単位でファイル更新して十数年。現在、約1千ページです。でも、容量は200MBにもなりません。GBの時代に軽いものです。

私の職場では、あのとき言った言わない、聞いていないというトラブルで無駄な時間と労力を使うことがたびたびあります。

最近、世間でも記録したノートが少ないとかなんとか、騒いでいるようです。

「記録魔に祟りなし」ーー私の実感です。

この日誌は、ものにたとえれば、登山時のザイルと釘のようなもので、なにかあったときに自分を守ってくれる“よすが”となるものです。

紙やデータで残らない、口頭でのやり取りほど記録に残しておきたいものです。

最後までお読みくださり、だいこんくん感謝に堪えません。


(ハナミズキの花言葉は「私の思いを受け止めてください」)

今回のブログはつまらないものです。お口に合うかどうか。でも、役に立つ人がいるかもしれないので書き残しておきます。

十数年前から日誌を付けています。

電話の受発信、来訪者とのやり取り、上司からの指示、打合せ等々について、時間と場所と人名に加え、内容を簡潔にワード文書に記載しています。

淡々と事実のみです。感情は交えません。嬉しいことや悲しいことがあったとしても、その起因としての事実は書きますが感情は書きません。

「古池や蛙飛び込む水の音」

芭蕉の句は事実のみを研ぎ澄ませて書き表すことで情感を湧き立たせています。ちなみに、次の句は笑点で三遊亭好楽が座布団一枚を得た川柳です。

「古池や早く飛び込め古女房」

さて、私は記憶力がよくなく、すぐに忘れてしまいます。最近とみに思い出す力が衰えています。

弱りつつも希少な大脳については、思考することに可能な限り集中させるようにし、「記憶」は外部媒体に「記録」するようにします。

ノートに書いている方もいますが、検索できないのが難点です。私は悪筆でもあるので、余計にだめです。

データ上であれば、10年前の出来事でもキーワードを入れれば、瞬時に必要な情報を呼び戻すことができます。

人名については姓名を正確に記載。後年、検索する際のあいまいさを避けるためです。

読了した本については、著者名・著書名・出版年・出版社名を記載し、感銘を受けた内容は引用して書きとどめておきます。

さらに、新しく出会った語彙や慣用句についても、読みと意味を備忘のため記しておきます。

(へつづく)


カレーに漢方胃腸薬を振りかける。小学館ビッグコミックス「美味しんぼ」24巻「カレー勝負」にそんな場面が出てきます。

都市伝説だと思い、いままで私はさほど興味を覚えませんでした。

先日、親友にハチ食品のカレーをいただきました。

日本のカレー粉製造の元祖・ハチ食品株式会社。大阪市西淀川区に本社があります。創業は1845年(弘化2年)。この時期は、日本に黒船が出没するようになったころです。

なぜハチ食品という名称なのか。同社のホームページによると次のようなエピソードが紹介されています。

1905年(明治38年)、創業者の今村弥兵衛は当時、薬種問屋を営んでいました。ある日、漢方薬のしまってある蔵に入ったところ、いいにおいがする。

調べるとウコンや唐辛子といった香辛料が入っていた行李(こうり)から漂っていたにおいだったのです。

当時、海外から輸入されていたカレーのにおいと似ていると気づいた弥兵衛は自分でカレー粉を調合し作ってしまいました。

ある日、薄暗い蔵の中でカレー粉を作っていると窓に一匹の蜂が止まっていて、朝日に照らされた蜂が素晴らしい色に輝いていました。

そのことから、カレーの名前を「蜂カレー」にしたというのです。

同社のカレー製造には驚くようなこだわりがあることもわかりました。詳しくはホームページをご覧ください。

というわけで、いただいたハチカレーのお蔭で漢方薬とカレーには浅からぬ因縁があることを知りました。

先日は親友と本格タイカレーを食べ、昨夜は日清トムヤムクンヌードルをすすり、胃がもたれ気味で、いずれにしても漢方胃腸薬が必要なだいこんくんなのでした。


にょっぽりと秋の空なる富士の山

松尾芭蕉と並ぶ俳人で「東の芭蕉、西の鬼貫」と言われた上島鬼貫(うえしま・おにつら)の代表的な句です。

このように擬声語をたくみに使えたらいいですね。

鬼貫の出身地・伊丹市は国の構造改革特別区域「『読む・書く・話す・聞く』ことば文化都市伊丹特区」の認定を受けています。

同市のホームページには投句コーナーがあり、全国から毎月応募がありました。私も投句してきましたが、このほどコーナーが終了してしまいました。

選者の朝妻力先生に厚くお礼申し上げたいと思います。

何度か特選に選んでいただきました。

「感想」は朝妻先生のお言葉です。


2013年4月
テーマ「石鹸玉(しゃぼんだま)」
【特選】石鹸玉百パーセント僕の息
【感想】この作品も私ども俳人が思っている石鹸玉の概念をがらりと変えました。「僕の息」、生きている喜びが感じられます。

2013年5月
テーマ「牡丹(ぼうたん・牡丹園・白牡丹)」
【特選】暁闇の垣根に浮かぶ白牡丹
【感想】暁闇は朝のまだ暗さの残っている時刻。白が際立ちます。

2013年9月
テーマ「残暑(残る暑さ・秋暑し・秋暑)」
【特選】秋暑し雨後の陽に照る石畳
※この作品はコミュニティ放送局「ハッピーエフエムいたみ」でも取り上げていただきました。

2013年12月
テーマ「冬日和・冬晴・冬麗(ふゆうらら)・冬麗(とうれい)」
【特選】冬うらら船べり洗ふ波の音


むすびにだいこんくんの句。

峰雲の飛行機追ふや目に泪
花水木紅白咲かす宮ノ前


(本文とは関係ありません)
学生の頃、眠りに就く前にラジオで「ジェットストリーム」を聴いていました。夜空に飛んでいる飛行機を見ると、翼のライトの点滅をしばし追いかけてしまいます。

さて、同時多発テロの起きる前のことです。

巡航高度に入ったとき、ボーイング747-400の機長とお話をしました。

「機長、この最新型の飛行機にはGPSは搭載しているのですか」

「いいえ。搭載しておりません。我が社では2機しかGPSを搭載していません。通常はジャイロコンパスを使っています」

「意外ですね」

「米国という他国のものを利用することは企業としてリスクを伴います。いま日米関係に問題はありませんが、いつなんどき関係が悪化するかわかりません。我々はリスクのあるものを避けなければならないのです」

北米から成田に向かう飛行機はちょうど私の故郷の上空を通過します。

「機長、故郷の上空で降ろしていただけないでしょうか」

「当機には残念ながらパラシュートは積んでおりません」

航空会社というものがいかにリスクというものに注意を払っているか、その厳しさを垣間見るとともに機長のウィットに温かいものを胸に感じました。

だいこんくん「今日のへ〜」でした。


「だいこんさん、監査って、どうしてあると思いますか」

「チェックするためにあるのでは...」

「確かにそうですけど、隠そうとするから監査があるのではないですか」

電子部品製造工場の総務担当のKさんと「BPR(Business Process Re-engineering)」をめぐってお話を伺ったときのことです。

みんながやっていることをお互いに見えるようにすればいいのではないか。

そんな発想を基に社内のシステムを構築。物品等の調達から、社員一人ひとりの出張先、目的、成果、使った予算等が相互に閲覧できるようにしたそうです。

「役員クラスから反対はなかったのですか」

「ありました。どうしてそこまでするのかと。でも、導入してみて役員も納得してくれました。社内の雰囲気がすっきりしました。見渡せるという感じになったのです。隠し事がなくなりました」

太陽がたとえ豆大福になったとしても、私の職場ではありえないことだと思いました。組織全体の予算の執行状況はおろか、同じ部内の他課の動きさえわかりません。

(私、豆大福が好物です)

Kさんは訴えます。

「いまやっている仕事をしなくて済むにはどうしたよいか。それを考える必要があります。楽をするという意味ではなく、本当にエネルギーを投入すべきものに投入するということです」

確かに、見せない(つまり隠している)から、管理部門などから報告を求められ、様式にこまごまと記載し回答している一面があります。そのエネルギーたるや膨大でお互いに無駄です。

というわけで、ふくみやの豆大福が食べたくなってしまいました。本日はこの辺で失礼いたします。

※BPRとは、既存の業務内容や業務フロー、組織構造、ビジネスルールを全面的に見直し、再設計すること。


(売れすぎて販売休止となった日清トムヤムクンヌードル。昨日コンビニで買い占めてきました)

外国滞在中に体調が悪くなったとき、なぜか現地の料理に食指が動きません。

タイ留学中、風邪を引いて熱を出したときは、日本料理は高いので中華料理を食べに行ったものです。

ふだんはタイ料理が大好きです。にもかかわらず、病気になるとだめです。現地料理を食べるというのは、身体のどこかで無理をしているのかもしれません。においや香味が受け付けないのです。

数年前、米国オレゴン州ポートランドに研修で行った際、時差ボケで体調を崩し寝込んでしまいました。情けないったらありません。

飛行機内の乾燥した空気に喉がてきめんにやられ、現地到着後はひどい時差ボケに悩まされました。

宿舎の周りはハンバーガーなどジャンクフードの店しかありません。本当に弱り果てました。

だるくて部屋でひとりで横になっていたところ、思いがけなくも、ポートランド州立大学のSさんがわざわざおにぎりを作って部屋に持ってきてくれました。

おにぎり本体とは別にぱりぱりの海苔も届けてくれました。インスタントの味噌汁など日本のお母様が息子さんにとお送りしたのであろう真心の品々もいただきました。胸が熱くなりました。

Sさんは長い海外生活の中で、病に伏したときいちばん美味しいと感じるものはなにか、知悉していたのでしょう。私はそう思いました。

真心の込もったいのちのおにぎりを私は生涯忘れません。おにぎりのお蔭で私は急速に体調が快復し、翌日から元気に活動することができました。

いつの日か美味しいおにぎり屋を開き、Sさんにご馳走したいと思案するだいこんくんなのでした。




送電線の下をくぐるようにして飛び立つ飛行機が電線に引っかかり墜落する。そんな夢をたまに見ます。私も搭乗しているのですけれど、不思議なことに機外から眺めるモーションとなっています。

私は夢総体の悪夢率が7〜8割程度です。悪夢は肩が凝るのがいただけません。

さて、北米を拠点とする航空会社の整備責任者のOさん宅で飛行機をめぐって興味深いお話を伺ったことがあります。

「整備責任者ってどんなお仕事なんですか」

「だいこんさんは風邪を引いたときに仕事に行きますか」

「たいしたことがなければ行きますね」

「飛行機も同じです。多少の整備不良でも飛ばします。その最終判断をするのが私です」

「というと、飛行機って完璧な整備状況でなくても飛んでいるのですか」

「完璧な状況で飛ばすには時間とコストがかかります。どの程度の不具合であれば飛ばしてよいか、その判断をしています。その不具合は次の到着地で修理すればよいなどといった判断です」

だいこんくん「今日のへ〜」でした。

なお、Oさんの航空会社ではここ数十年の間で大きな事故は起きていないことを申し添えます。

空を飛んでいる飛行機を見ると、風邪気味のままでフライトしているのもあるのだろうなと思ってしまいます。


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