- 2015.02.27 Friday
相対性理論を読み解く
(苦しくも楽しかったシンクタンク時代。かつてのオフィスを見上げながら)
出張です。JR磐越東線での移動。乗客はまばら。4人掛けボックスの窓側にひとりで座りました。神俣駅で70代後半のご婦人が乗り、対角線ではなく、私の真向かいに掛けました。
列車に乗るとき私は進行方向に背を向けて腰掛けます。
衝突や脱線の際、このほうが背中が支えとなり、安全そうだからです。反射神経が鈍いので、進行方向に向いていると飛んでいきそうです。
さて、ご婦人です。長いすではなくボックスが好きなのでしょうか。4人掛けボックスで窓側に2人が向かい合うのはけっこう窮屈です。膝と膝が時折さわっと触れます。
くすんだデニムのズボン。灰色のニットのセーター。黄土色の革のバッグを抱え、もう一つ、サンドバッグを小さくしたような黒のバッグを縦に置いています。靴も黒。
私は不思議に思いました。こんなに近接しているにもかかわらず、心臓をドキドキさせるノルアドレナリンが分泌されないのです。心拍数も平常。
やはり年齢のなせる技なのか。私の母は生きていれば、昨日74歳を迎えました。母と同じような年齢では無理からぬことか。
あるいは、着ている服の色のせいなのか。ベネトンの虹色の服だったらどうだろう。
やはり年齢なのだ。そう結論に至りました。
対象年齢を徐々に下げて、検証していきます。65歳ならどうか。60歳では。55歳...。1歳刻みで下げていきます。
自分の年齢の数歳上で針が反応しました。
吉永小百合(69歳)だったらどうか。これはじかにお会いしてみないとわかりませんとしかいえないですね。
上限はわかりました。では、下限はどうか。シミュレーションはしました。が、青少年健全育成の観点から公表は控えます。
大学1年のとき4年生の先輩が大人に見えました。女子の先輩は姉のように感じたものです。
それでいま、大学4年の女子はどう見えるか。とても子どもっぽく見えるのです。
私は、はたと膝を打ちました。
中学生のときあれほど読んでわからなかった「ブルーバックス」(講談社)の相対性理論シリーズが、いま、雲が晴れたようにわかったのです。そういうことだったのか。
ノルアドレナリンの分泌は、自分の年齢と相手の年齢の差、つまり、相対性によって説明できるということです。
ですから、30年後の私であれば、今日同席したご婦人とふたたび膝が触れれば、ノルアドレナリン(枯れていなければですが)、分泌される可能性があるのです。
舌を出したアインシュタインが微笑んでいるように感じました。
次は、量子力学を読み解こうと意気込んでいるだいこんくんなのでした。
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