- 2015.08.31 Monday
4つの動機
(歩行者天国の銀座)
アメリカの心理学者デイビッド・C・マクレランドが提唱したモチベーション理論。人には、「達成」「権力」「親和」「回避」の4つの主要な動機ないし欲求が存在する、というものです。
人は、生来の傾向性として、無意識のうちに4つの動機のいずれか、あるいは複数の動機を持ちながら行動する、と理解することができます。
当初、私は、4つのうち「権力動機」と「回避動機」について、可能であれば、持つべきでない動機と思っていました。
「権力動機」については、その名称からしてネガティブなイメージを抱きました。そのような振舞いをすることはよくないことだ、と。
ところが、組織の長になってわかりました。仲良く接するだけの「親和動機」だけでは組織のマネジメントはできないということを。
ときに、議論が分かれながらも、期限が決められ、判断が迫られる案件など、強制力が必要なときがあります。
また、緊急事態で有無をいわさず動いてもらわなければならないときもあります。
ですから、「権力動機」とは、それ自体、善でも悪でもない。大切なことは、成熟化だということです。
権力の持つ強制性のメリット・デメリットを十分に認識しながら、それを活用する、成熟した「権力動機」が求められることを理解できるようになりました。
一方、「回避動機」もときに有効といえます。うつを経験した者として私は確信します。
自分の大切ないのちを守るため、一時的な退却である「回避」を選択することは重要なことだということです。
「回避」を受け入れるべきときもあります。「回避」は、けっして人生そのものの負けではありません。後ろめたいものでもけっしてありません。
ただ、回避の期限がときに見えない苦しみがあります。いつまで続くのか、と。
現に、私の周りでも、心の病からいつ脱することができるのか、もがいている友がいます。
寄り添う人の存在が大切です。ここでの詳述は割愛します。
このように4つの動機を俯瞰する自我、いいかえれば、大我に立ったとき、生来の傾向性としての動機から、成熟し、意識した動機へと止揚されていくのではないか。
いいかえれば、動機をコントロールする自我が確立したとき、“成熟した”といえるのではないでしょうか。
動機ということについて、自分の体験を交えつつ、もう少し深掘りして、論考としてまとめてみたいと思います。
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