- 2015.10.31 Saturday
静かにひたひたと
(水の織りなす風景が好きです)
子どものころ、社宅の前の河口で潮干狩りをしました。干潮時にボートで中州に渡り、夢中でシジミやアサリを採ったものです。
潮の満ち引きは静かにひたひたと来きます。気がつくと、中州はほぼ水没。慌ててボートに乗ることもありました。
静かにひたひたとやってくる事象ほどやっかいなものはないのではないか。近ごろ、そんなふうに思っています。
大型客船を例にとりましょう。
暗礁に乗り上げるなどして、急に浸水する場合も、もちろん危険です。
ただ、そういった場合、船員は総出で、一丸となって対策を取ろうとします。対策が功を奏すれば最小限に被害は食い止められるでしょう。
ところが、ほんのわずかずつ浸水する場合はどうでしょう。
(木々が織りなす風景もいいですね)
危機が徐々に迫っていることは、みなわかっています。わかっていながら、静かなる危機に対しては、議論百出、責任の押し付け合いが起きます。
誰もが危機を論じ、そして、誰もが対策の必要性を声高に訴えます。
にもかかわらず、なにも有効な手を打たれないまま、沈没していってしまうのです。
誰もがその危機を知っているのに、我が事ではなく、他人事として捉えてしまう。
静かなる危機は、ひたひたと静かなるがゆえに、日常のルーティンのマネジメントで対応してしまいます。
そこに落とし穴があるのです。
むしろ、静かなる危機こそ、勇敢にして成熟した強制力を伴うリーダーシップによって対処しなければならない。
そう強く思う今日この頃です。
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- by だいこんくん