- 2016.08.31 Wednesday
超絶の美
(明治有田 超絶の美)
「明治有田 超絶の美 万国博覧会の時代」を見てきました。
根気のいる作業。私はこの上なく苦手です。
学生時代、旋盤工のアルバイトをしていた私。毎日ひたらすら同じことの繰り返しに狂いそうでした。
工場長はその作業をもう数十年も続けている。そう聞いたとき、世界宗教の創始者にでも出逢ったような感動を覚えました。
「創造」とは、突飛なことをするのでもなく、奇想天外なことをするのでもなく、風変わりなことをするのでもない。
「創造」とは、じつに地道な、倦まず弛まず行う作業の上に成し遂げられるものなのだ、と私は思いました。
だからといって、明治有田の作品からは、辛そうなうめき声は聞こえない。むしろ、創ることの喜びが伝わってきます。
さらに、感動とともに自省の念を抱いたのが、図案(下絵)の完成度の高さです。図案が極めて精緻なのです。
下絵なのだから、雑でもいいのではと私は思ってしまいます。“だいたい”でいいのではないか、と。参考になれば。
「間違ったっていいじゃないか、人間だもの」が私の信条です。
(猫派としては見逃せません)
ところが、有田焼の職人は違います。図案にもとことんこだわる。
そこにプロフェッショナルの流儀があるのでしょう。図案の制作においても妥協を許さない姿勢に感銘を受けました。
また、明治有田には、鍋島家という旧佐賀藩主がパトロン的存在があったことも知りました。
地域の芸術が世界に通用するには、それを支援する財力と作品の理解において超絶した人が必要なのだろうとも感じました。
「明治有田 超絶の美 万国博覧会の時代」は9月4日(日)まで、いわき市立美術館にて開催中。
なお、9月17日(土)からは、「猫まみれ展」が始まります。
美術館にいらっしゃるときはご一報ください。
隣の建物からアロハシャツまみれの私が出てきます。そしてすぐ引っ込みます。
- 発見!
- 17:45
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- by だいこんくん