- 2018.01.31 Wednesday
「ち」と「さ」
(冬の寒さがないと桜は咲かない)
聴き取る力が落ちてきている。最近、つくづく思うようになりました。以前、五十音の単音の聴き取り検査をした際、半分近く間違えました。
子どものころ母に聞いた話によると、私は3歳まで発話をしなかったらしい。いわゆる「赤ちゃん言葉」を発しないまま成長したという。
絵本や図鑑などを通して母が強制的に私に覚えさせた言葉は、「たいよう(太陽)」や「ちきゅう(地球)」、「つき(月)」、「さかな(魚)」であったことは幼子心にも記憶しています。
まるで外国人が日本語を覚えるようにして単語を覚えたようです。
聴き取りの遅れは言語の発達に影響を及ぼします。小学低学年で苦労したのは読み書きでした。
漢字はおろか、ひらがなも書けませんでした。「ち」と「さ」の違いがわからず一人涙ぐんでいた私。どこがどう違うのかがわからないのです。
今になって思います。私は一種の学習障害(LD)ではなかったのか、と。
「ことばとひびきの教室」に小学校・中学校の9年間、通い続けました。私の学習障害を助けてくれたのはまぎれもなく通級教室でした。
先日、特別支援教育関係の会議にスタッフとともに出席する機会がありました。
「LDのお子さんは自分が勉強が遅れているということ自体がわからない。そして担任の先生も含め周りもわからない」
「そこが問題です。周りが気づいてあげる必要があります。そのままにしておくと次第に授業についていけなくなり不登校になっていきます」
「小中はまだ連携が取れているからいいんです。高校に進学した際、特別な支援、配慮が必要な子であることの情報が学校に伝わらない」
目の前の一人の児童生徒のために何とかしてあげたい。
特別支援教育担当の先生が熱く語る姿を見て私は思いました。
おそらくは私自身が子どものときもこのような先生がいて目に見えないところで私たちをサポートしてくれていたに違いない、と。
「ち」と「さ」の切ない思い出とともに何だか胸に込み上げるものがありました。もしかすると、ただの逆流性食道炎のせいかもしれませんが。
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- by だいこんくん