- 2018.02.28 Wednesday
ポリ乳酸
(雪と竹は似合う)
ポリ乳酸(PLA)の射出成形技術の第一人者が地元にいることを知りました。
第7回ものづくり日本大賞「内閣総理大臣賞」受賞記念講演『福島から世界へ、樹脂成形の世界を変える!!ポリ乳酸(PLA)の射出成形技術への挑戦』を聴講。
小松技術士事務所の小松道男所長の講演に感銘を受けました。小松さんは、技術士に史上最年少で合格。小松技術士事務所を設立し、プラスチック射出成形金型技術の第一人者となる。
石油由来樹脂による環境負荷という課題を解決するため、植物由来・生分解性プラスチック「ポリ乳酸」の独創的な射出成形技術群を世界に先駆け実用化。
乳酸菌とトウモロコシ等を粉末にしたデンプンがポリ乳酸の原料。自然の力で水と二酸化炭素に分解される。海洋ゴミ(Marine Litter)対策技術としても有望であるという。
耐熱性や可塑性、そしてコストの問題を解決。日米欧等で特許権31件(235発明)を取得。
食器安全性、重金属フリーを兼備した幼児食器シリーズ「iiwan」を事業化。ポリ乳酸を原料とした耐熱食器分野及び薄肉射出成形カップ分野で世界シェア100%。
世界、特にフランスが注目している背景に石油系プラスチックの燃焼処理による地球温暖化に加え、海洋ゴミであるマイクロプラスチックによる有害物質の生物濃縮が挙げられる。
文字通り、地中海は外洋との海流が少なく、プラスチックスープとまで言われるほど汚染が進んでいるという。
そのような中、フランスは2020年から「使い捨て食器へ生分解性素材50%以上使用義務法」を昨年9月に制定。2025年には比率を60%以上に引き上げる見通しとのこと。昨年7月からはポリエチレン買物袋の使用が禁止されている。
小松さんは訴えます。
闘う前にかつ戦略が大事である、と。まさに孫子の兵法であると感じました。
「百戦百勝は、善の善なる者に非るなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」
基本特許のまわりを周辺特許で囲い込む。日本・欧州・北米を中心に特許網を構築。どのような大手化学メーカーも太刀打ちできない。
知的財産の重要性を改めて痛感しました。
万里の道も一歩から。3月11日に国家試験「知的財産管理技能検定3級」を受検します。引っかけ問題に引っかかってばかりです。裏の裏で解答すると、裏を読みすぎてまた誤答。
どうすればいいのか。春なのにため息ばかりです。
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- by だいこんくん