(楢葉町の天神岬)

ゴールデンウィークという言葉を聞くと高校生のときだったでしょうか、英語の先生がゴールド(gold)とゴールデン(golden)は違うのだ、と言っていたことを思い出します。

ゴールドには名詞と形容詞があり、一方、ゴールデンは形容詞のみ。先生は強調していました。

「ゴールデンは“黄金のような、金のように輝いている”という意味であって、本物の金じゃない」

辞書を紐解くとゴールデンにも“金製品の”という意味もあると説明されています。が、“金の”というときはゴールドを使うのが一般的なようです。ですから、金メダルはgold medalなのでしょう。

さて、私のゴールデンウィーク。家の掃除をしていました。

2階のトイレの窓は40cm四方のスクエア窓です。下部のハンドルを90度曲げ、押し開けることで開きます。ただし、開口部は30度程度です。全開にできません。上方に少ししか開きません。

内側の窓ガラスの拭き掃除は容易です。閉めたままの状態で拭けばよいのですから。

外側のガラスを拭きたい。花粉やほこり、雨水の水垢が付着しています。なんとしてもきれいにしたい。

ローラー付の勉強机の椅子を持ってきました。椅子に膝立ちして、左腕を開口部の左側から入れます。左肩を狭い開口部に密着させ、かつ、雑巾を持った左手を外側の窓ガラスに当てます。

このとき、運動第3の法則、いわゆる作用・反作用の法則によって椅子がずるずると壁から遠ざかり出しました。そして、上腕から肩にかけて攣りました。

このままでは、左腕を窓に入れたまま、両膝を椅子の上に置いての宙吊り状態を現出してしまいます。

形容しがたい、いや名状しがたいと言った方がいいのか、非常に無理のある体勢のままで2階のトイレで呻吟する私。嫌な汗が噴き出てきます。

あっ、つらい。孤独感に襲われます。

そのとき、豪州の著名な登山家リンカーン・ホールのことが思い浮かびました。

2006年にエベレスト登頂後に仲間から死んだと思われ、8500メートル付近に置き去りにされた後に意識を取り戻すも、チームが酸素も食糧も持ち去りベースキャンプに下山したことを知り、死の恐怖と孤独感に襲われます。

私はリンカーンを思いつつ、結局、腹筋をフル活用して椅子を壁側に手繰り寄せ、事なきを得ました。

以上が私のゴールデンウィークの思い出です。


(自宅の裏山を仰ぐ)

国外調査のため出張中に第三国で偶然にも“兄と妹”に遭遇。編集部がインタビューを申し込んだところ、匿名を条件に応じた。「兄と妹の会話」はフィクションです。

−−− お兄様に伺います。今回の対話攻勢というのでしょうか、姿勢が変化した理由は何でしょうか。

「すぐに日本のマスコミはなぜって尋ねてくるな。何かあれば理由を聞きたがる。なぜ、なぜ、と。文さんはね、なぜ変化したのかなんていうことはおれに決して聞いてこなかったぞ。我々は“これから”、“いかに”という議論に集中したんだ」

−−− いや、それでも聞きたいというのが本音です。これまでの、こう言っちゃ何ですが恫喝姿勢から一変したように見えるのですが、人間が変わったのでしょうか。

「これはオフレコだぞ。アメリカを引っ張り出すためだ。あそこまでやらないとダメだということだ。我が共和国で核による防衛システムなんか構築はできやしない。ただし、数発あれば、正確に言えば数発届けば脅しには十分なんだよ」

−−− 大気圏再突入に耐えられる弾頭を開発したということでしょうか。

「そういうことだ」

−−− 最初からアメリカと交渉するために核開発を行なってきたと理解してよいのでしょうか。なぜそこまでアメリカにこだわるのでしょうか。

「中国が信用できないからだ。中国にヘタな動きをさせないためにアメリカに体制保証をしてもらう。そういうことだ。それ以上詳しいことは言えない」

−−− 今回の姿勢の変化はそれだけなのでしょうか。

「ま、参考にした歴史上の人物はいる」

−−− 誰でしょうか。

「アショーカ王だよ。マウリヤ朝第3代の王だ。紀元前200年代だと思う。インド亜大陸を統一した人物だ。第3代というところも気に入っている。仏典が伝えるところによると玉座を得るため兄弟を99人殺したという。大臣も500人殺したそうだ。お前、震えているのか」

−−− いえ、なんだか似ていらっしゃると思いまして。

「あはは、似ているか、そうか。似ているか。その言葉、覚えておけよ。どこまでが史実なのかは知らんが、カリンガ王国を征服する際、一説によると10万人殺害されたという。あまりにも多くの人々が殺されたことを悔い、改心し仏法に帰依。その後は法(ダルマ)による統治に努めたと伝えられている」

−−− アショーカ王のように温情による統治を行うのですか。

「兄はこれまでも温情による統治を行なってきましたわ」

「ま、見ていてください。いずれにしてもダムは落差があればあるほどエネルギーを得られる。変化というのは劇的であるほど良い。お前の国でもビリギャルとかいう本だか映画だかがもてはやされているじゃないか。元暴走族だった人間が教師になると評価されるじゃないか。そういうことだよ」

「お兄様、そろそろ時間ですわ」

−−− 最後にもう一つお願いします。平和の家で芳名録に署名する際、用意してあったペンではなく妹さんが差し出したモンブランの万年筆を用いた理由は何でしょうか。

「危ないからよ」

「君は共和国製の暗殺兵器にペン型のものがあるのを知らないのか。念のため避けたんだよ。では失礼するよ」


(用水路に水がほとばしる)

「兄と妹の会話」はフィクションです。アルメニアの政情不安のニュースが入ってきました。

「お兄ちゃん、コーカサス地方が混乱しているわね」

「世界地図はふつう北を上にして見る。だが、上下を反対にするとロシアが気を揉む理由がわかる。黒海やカスピ海の周辺国が反ロシアになるとロシアが塞がれたようになる。本能的と言ってもいいほど海を求めてきたロシアにとって悪夢のドミノ倒しだ」

「旧ソ連下にあったウクライナ、ジョージア(グルジア)、アゼルバイジャン、モルドバは、反ロシア的な組織GUAM(民主主義と経済発展のための機構)を組織し親欧的な路線を取っている。アルメニアも反ロシアの野党指導者が政権を握るのかどうか現地でも情報収集するよう指示しておけ」

「はい。すでにコーカサス地方の工作員に指示しています。でも、お兄ちゃんは我が共和国から離れたコーカサスの動きにも敏感になるの」

「黒海とカスピ海に挟まれたコーカサス地方は東西に伸びる5000メートル級のコーカサス山脈によってロシア領の北コーカサス地方とアゼルバイジャンやジョージアなどの南コーカサスに分かれている」

「知っているわ」

「ロシアにとっては家に例えれば玄関とまではいかないが勝手口の一つが塞がれるかどうかという問題なんだ。我が朝鮮半島もロシアや中国にとっては勝手口の一つにしか見ていない。逆に言えばロシアなどがどのように勝手口に対処するか見極める必要があるんだ。南コーカサスと言えば...」

「南コーカサスと言えば何ですか。スターリンが生まれたのは確かジョージアね」

「そうだ。スターリンという姓はペンネームで鋼鉄の人を意味するんだ。実際の姓はジュガシヴィリと言う。同じ南コーカサスのジョージアの隣国アゼルバイジャンに生まれたのがスターリンとも関係があるゾルゲだ」

「リヒャルト・ゾルゲね。死後にソ連邦英雄勲章を受章しているわね。駐日ロシア大使が東京に赴任するとゾルゲの墓に詣でるそうね」

「独ソ戦を予見し被害を抑えたからね。ただね、大事なことはスターリンは当初ゾルゲの報告、いわゆるラムゼイ報告を無視していたんだ。デマ情報だとね」

「へ〜、どうして」

「一つにはゾルゲの父親がドイツ人であったことが影響していたと思う。母親はロシア人だったけどね」

「どうしてドイツ人の父親がアゼルバイジャンにいたのかしら」

「ゾルゲの父親は石油掘りの高い技術を持っていて、それでアゼルバイジャンにいたんだ。スターリンがゾルゲの情報を信用していなかった理由だけどね、ウラジオストク経由の遠い極東からの情報に信憑性を疑っていたのかもしれない。でも、駐日ドイツ大使館でオット大使のいわば秘書となって生のドイツ情報を得ていたゾルゲの情報は正確だったんだ」

「近衛文麿政権のブレーンだった朝日新聞記者・尾崎秀実(ほつみ)からもたらされた日本政府の中枢情報も筒抜けだったわよね」

「そうだ。正確かつ質の高い情報だったゾルゲのラムゼイ報告。単なるインフォメーション(情報)ではなく分析と取るべき行動を示唆したいわば、インテリジェンス(諜報)を送っていたんだ。にもかかわらずスターリンが無視した本当の理由は何か。何だと思う」

「わからないわ」

「スターリンがそうありたいという情報と違っていたからなんだ。スターリンは独ソ不可侵条約があるからヒトラーはソ連に攻めて来るはずがないと信じていたし、来てほしくないと願っていたんだ。ところが、ゾルゲからもたらされる情報は反対にドイツがソ連に攻めて来るというものだった」

「なるほど。そうありたいという“願い”とそうであるという“事実”を峻別する必要があるのね」

「そういうことだ。以前に話したTO機関のベラスコ(「兄と妹の会話(4))にも同じことが言える。命がけで質の高い情報をマドリードから東京に送っていたにもかかわらず、軍部は無視した。これも同様に見たい情報じゃなかったからなんだ。ベラスコの手下は神父に扮してソロモン海戦に行く兵隊から懺悔という形で情報を盗み出した。そこまでして得た情報が全く生かされなかった」

「我が共和国のような国はまさに情報こそが命ね」

「いや、その情報をどう判断するか、そこが命なんだ。いよいよトランプのオヤジと会う。ますます情報収集と分析に努め、そして怠るな」


※「兄と妹の会話」シリーズは国外調査のため休筆します。


(藤の季節ですね)

米朝首脳会談を目前に控え、兄妹の会話は熱を帯びてきます。「兄と妹の会話」はフィクション、つまり架空の物語です。

「この前の文さんとの会談で差しで話をしたわよね、お兄ちゃん。『徒歩の橋』のベンチでお兄ちゃん、何度も頷きながら何の話をしていたの」

「トランプのオヤジの人となりさ。どういう癖があるのか聞いていたのさ」

「それだけじゃないでしょう。あの真剣さはもっと深いテーマだったはずよ」

「鋭いなお前。北南統一後の姿について、つまり安全保障体制について意見交換をしていたんだ」

「そうだったの。安全保障体制というと在韓米軍の撤退っていうこと?」

「そうだ。休戦協定から平和協定に移行すれば、敵である国連軍、実質的な米軍は韓国に駐留する必要がない。おれは完全撤退を主張した。ところが文さんはそれは違うって言うんだ」

「戦争が終結したんだったら外国軍隊が駐留する理由がないわよね」

「理論上はそうだ。だが、文さんは米軍は必要だと。理由は中国への牽制が一番の目的。ロシアに対するにらみの意味もある。つまり、外国軍隊のない朝鮮半島は大国の食指が動くおそれがあるというんだ」

「でも、習さんは米軍が駐留する統一朝鮮は悪夢でしょ」

「そうだ。だから、撤退ではなく縮小してもらう。駐留経費を無駄だと言っているトランプの意にも沿うわけだ。日本も安心するだろう。ただし、駐留するのは南朝鮮に限る。そして、THAADミサイルは習のオヤジが嫌っているから撤去する」

「そうすれば対中国、対アメリカ、そして対ロシアとの力の均衡が取れるということね」

「そうだ。それが文さんの統一後の安全保障体制の考えだ。おれもなるほどと思った。半島というものは大国に翻弄されてきた悲しい歴史がある。一本独鈷(どっこ)のやり方は確かに純潔でいいように見える。でも、ピュアというのは脆いものなのだ。文さんの主張におれは真剣に耳を傾けたよ」

「アメリカとの交渉の前に文さんに会う意味はそこにあったのね」

拡大する中国のパワーを肌で感じながらいかに朝鮮半島の統一を実現していくか。大国のパワーバランスの中で魑魅魍魎(ちみもうりょう)の駆け引きが今始まった。

つづくかも


(サザコーヒー 水戸芸術館店。ショートケーキとタルトの違いがようやくわかりました)

各国とどう付き合っていくのか、否、どう向き合っていくのか。兄妹の会話はいよいよ核心に入ってきました。「兄と妹の会話」はしつこいようですがフィクションです。

「お兄ちゃんにとって大国の中に日本は入っていないの」

「入っていない。付き合わないことによる逸失利益を考えてみろ。例の件を仮にだ、仮に解決したとしても、次に何がくる」

「謝れと言うでしょうね」

「そうだ。謝罪だ。政府とマスコミ挙げて謝罪を求めてくるだろう。我々は何を得る。何も得ない。得るものがない外交は外交と呼ばない。そこが文さんの戦略と日本の違いだ」

「文さんの来歴を改めて振り返ると波瀾万丈ね。両親とお姉さんは興南撤収作戦でアメリカの貨物船に乗って南に避難。祖父母は共和国側に残したまま。学生時代には朴政権に反対する民主化運動に関わったとして逮捕、刑務所に収監。釈放後すぐに軍の中で最も厳しいとされる特戦司令部第1空挺旅団に配属されているのね」

「そうだ。特戦司令部では爆破任務を担う優秀な軍人だったという。1976年に板門店で起きたポプラ事件、我が方で呼ぶ板門店事件では文さんの部隊が解決のために投入されたんだ。文さんは親北とか従北とか言われているが、我が共和国の苛烈な前線に直接対峙し、知悉している人物と言える」

「逮捕と言えば、文さんは光州事件に関連して大学卒業後にも逮捕されているのね」

「そうだ。拘置所で司法試験の合格通知書を受け取ったそうだ。決して柔(やわ)な人ではない」

「日本からは得るものがないってお兄ちゃん言ったけど、日本の経済支援や貿易による利益は魅力的よね」

「その得られるかもしれない利益とそれ以前に起きる謝罪を求める大合唱を比較考量してみるんだ」

「そうね。日本は放置ね」

「そうだ。しばらくは様子見だ。まずはアメリカと国交を結ぶ。そのために休戦協定から平和協定にする。もちろん朝鮮戦争の当事者である中国とも締結する。ロシアは朝鮮戦争の当事者ではないので無視してもいいが、臍を曲げると良くないのでモスクワに行ってご機嫌を伺ってこよう」

「アメリカは当然非核化も求めてくるわよね。どうカードを切るの」

「今回は劇的に非核化を受け入れる。スピードが大事だ。完全非核化まで行かずともスピードでどんどんやっているという雰囲気を醸成するんだ」

「雰囲気?」

「そうだ雰囲気だ。雰囲気というものは想像以上の力があるんだ。まずは核実験場を大々的に廃棄しよう。共和国はやる気だという雰囲気をどんどん作るんだ。並行して平和協定の動きも加速化する。トランプのオヤジさんは例のロシア疑惑の捜査が我が身に降りかかる前に、そして11月の中間選挙前までに成果を出したがっている」

「それがトランプさんに花を持たせるってことね」

「そういうことだ。アメリカ、中国を固めロシアをこちらに引きつける。日本はマスコミという世論に弱い国だから、そのうちラブコールを送ってくるだろう。そのときに慎重に相手の出方を見極める。10年越しを一つの単位にして取り組もう。我が共和国は解散も任期もないからな。焦る必要はない」

まもなく米朝首脳会談が行われる。何が合意し、次に何が起きるのか。決裂し一気に軍事緊張が高まるのか。

つづくかも


※ポプラ事件: 1976年8月18日に、韓国と北朝鮮の軍事境界線上にある板門店で発生した事件。共同警備区域内に植えられていたポプラ並木の一本を剪定しようとした、韓国軍兵士と韓国人作業者と国連軍を成す1国であるアメリカ陸軍工兵隊に対して朝鮮人民軍将兵が攻撃を行い、2名のアメリカ陸軍士官を殺害数名の韓国軍兵士が負傷した。(出典:ウィキペディア)


(面倒くさがり屋の私は醤油をさっとかけて食べます。久之浜の「和」にて。980円税込)

「兄と妹の会話」は明白にフィクションです。この会話は兄と妹の意見の交換であり、時に作戦企画であり、時にまた帝王学の伝授でもあります。

「日本のことが出たので親父が生前言っていたことを思い出したよ。『現代は情報戦だ。しかし、どんなにいい情報が上がってきても、トップがその情報を生かし判断できなければ意味がない』と。教訓として第2次世界対戦中の日本外務省の東(TO)機関のことを挙げていた」

「東機関?初めて聞くわ」

「当時の日本の外務省でもごく一部の人間しかわからない諜報機関だった。元々は東(とう)ではなく、盗(とう)と呼んでいた。真珠湾攻撃により太平洋戦争が勃発。アメリカにあった日本の在外公館はことごとく閉鎖を余儀なくされた。それで中立国で親日国だったスペインに諜報の拠点を設けたんだ」

「スペインでアメリカの動きを掴む。どうやって情報収集活動したのかしら」

「いい質問だ。敵の情報は本当に大切だ。孫子は言っている。『百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり』。百戦百勝は最良の戦いではないと言っている。戦わずして勝つ。これだよ。そのためにどうするか。『彼を知り己を知れば百戦殆うからず』ということだ。では、どうやって日本はアメリカの動きを探ったのか」

「スパイをアメリカに送り込んだのね」

「そうだ。ただ、日本人は直接動けない。当時、スペインは中立国だったので連合国、枢軸国ともにスパイが暗躍する国だった。在マドリード日本公使の須磨弥吉郎はユダヤ系スペイン人の職業スパイのベラスコにTO機関を創設させ、北南米などにスパイを送り対英米の諜報活動をしていたんだ。須磨からベラスコに渡された資金は1回に数万ドルに及んだという」

「結局、日本は戦争に負けたわよね。TO機関は役に立たなかったということかしら」

「そこなんだ。大事なのは。じつは相当に質の高い機密情報がマドリードの日本公使館から東京に送られていた。ベラスコは一流のスパイで実際ヒットラーも高く評価していたんだ。ところが、日本政府は情報を受け取っていながら重視しなかった。もう一つ、途中からアメリカに暗号を解読されしまいTO機関が壊滅させられたことも影響している。じつはさらにもう一つ理由があるのだがまた別の機会に話そう」

「お兄ちゃんが言いたいことがわかったわ。党の39号室にもたらされるどんなにいい情報も私たちがどう見極め判断するかで決まってしまうということね」

「そういうことだ。近々会うトランプのオヤジさんとの交渉はまさに孫子の兵法でいくんだ。戦わずしていかに勝つかということだ。そのためにアメリカに送り込んでいる工作員たちからもたらされる情報を真剣に分析しよく考えるんだ」

「戦わずして勝つ。私たちにやれることはこれね。でも、アメリカは本気で核廃棄を求めてきているわ。この前ポンペオにきっちり釘を刺されたわ。不安だわ」

「大丈夫だ。心配するな。手は打ってある」

本当に手は打ってあるのか。つづくかも...


(鯉の吹き流し)

アメリカは北朝鮮が完全非核化するまでは制裁を解かないという。軍事攻撃まで示唆している。平壌はどう出るのか。なお、「兄と妹の会話」は全くのフィクションです。

「お兄ちゃんはトランプさんとの会談でどこまで約束するの。非核化するって言ったって数年はかかるわよ。39号室の資金も苦しくなってきたし」

北朝鮮は公式の国家財政とは別に金一族専用の資金獲得組織が朝鮮労働党3号庁舎9号室にある。傘下には120社に及ぶ企業が連なり、麻薬など違法な取引を含め全世界にネットワークを張り巡らせている。

「39号室の状況はおれもわかっている。アフリカでの銅像建造は上手くいってるじゃないか。セネガルの大統領が喜んでいたぞ。自由の女神を超える世界一の銅像を造ってくれたって。観光地化されて国民にも喜ばれているっていうじゃないか」

「でも、約20億円の代金の支払いは国有地の払下げという物納よ」

「それでいいんだ。あそこを拠点にしてシノギを上げていく。アフリカは我が共和国の庭だからな。同志を増やしていくんだ。これまで世界中でどのくらい建造しているんだ」

「お爺様の代に造ったトーゴのエヤデマ大統領の銅像をはじめ、これまでにエチオピア、ナミビア、アンゴラ、赤道ギニア、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、ギニアなどです」

「国交が結ばれたら日本にも造りたい。日本人は大仏が好きだと聞いている。今から研究するよう万寿台創作社に指示しておけ。大統領といえば東京の工作員によると『大統領』というもつ焼き屋が美味しいって言うんだ。そこで交わされる会話も興味深く、我が共和国に対する庶民の抱くイメージも掴めると」

「その大統領だけど、トランプさんの非核化は本気よ。この前来たポンペオの目は射抜くようで怖かったわ」

「いまトランプのオヤジの頭にあるのは11月に行われる中間選挙だ。確かに現在与党・共和党が上院・下院とも過半数を占めてはいる。しかし、上院は議席の差がわずか2議席だ。その上院は今回34議席が改選される。下院は、全435議席が改選だ。共和党が上下両院で過半数の議席を維持できるかどうか。あのオヤジに花を持たせてやろう」

「どうやって。どんな花を持たせるの」

「お前だったらどうする。トランプの強固な支持基盤であるラストベルト(rust belt=錆びれた工業地帯)をどう喜ばすか。そこを考えるんだよ」

つづくかも


(ホシヤマ珈琲店にて。仙台)

「兄と妹の会話」は本当にフィクションです。

「オヤジがよく言ってたよ。弱小国が生き残るには超大国を相手にしろとな。まずはアメリカだ。次に中国、ロシア。それ以外はクズだ。南朝鮮はアメリカを引き出すための触媒だ」

「そうよね。虎の威を借るってことよね」

「いや、違うな。虎たちの尻尾を踏みつけてこっちに関心を持たせる作戦だ。おれたちはどう逆立ちしたって大国にはなれない。でも、大国だけを相手にしていれば大国は共和国と付き合うしかなくなる。半島っていうのは地政学的に安定しない。虎の威を借る狐になるのではなく、虎同士を上手く使うんだ。大事なことは尻尾以上の体に手をつけちゃいけない」

「そうね。確かに半島は不安定よね。古くはバルカン半島、少し前のインドシナ半島、そして私たちの朝鮮半島。虎たちに目を向けさせるのね」

「複数の虎に目を向けさせるというのがポイントだ。インドシナ半島と言えば、カンボジアの経済成長が著しいな。昨年は成長率7パーセントだ。その中で貧富の差が激しくなり僧侶も動き出している。野党の勢力も拡大中だ。大きなシノギの匂いがするな。マレーシアは例の件でおかんむりだから当面稼げない。カンボジアから目を離すな」

「はい、すでに工作員を野党幹部に近づけています。タイの開発僧の動きは政権が変わって鈍ってるようだけど、カンボジアは面白い動きね。虎と言えばやっぱり不気味なのは中国よね」

「そうだ。奴らにしてみれば我が共和国はクッションなんだ。南の駐留米軍がいたままの統一は悪夢以外のなにものでもない。ヤイバが直接喉に向けられるようなものだからな」

「北京が我々を締め付けている背景に我が同胞の中国東北三省の朝鮮族の力学が関係していると思われます。朝鮮族の減少に歯止めがかかりません。かつて200万人いたものが今後30年で半減すると見込まれます」

「そんなに減るのか」

「はい。しかも、南朝鮮に出稼ぎや留学者が増えてきています。北京への抑止力にはもうなりません」

「東北三省での工作活動も弱くなった。いざというときに指示しても一斉蜂起は無理だな」

「お兄ちゃん、アメリカは完全非核化するまで制裁は解かないって言ってるけどどうするの」

「ふふふ。おれに考えがある。そのために文さんと会ったのだし、北京の習の股の下をくぐってきたのさ」


※開発僧: タイの急激な資本主義化による森林開発等の問題に、地域主体の立場から取り組む活動のリーダー的存在となった僧侶(出典ウィキペディア)

つづくかも


(屹立する電波塔が好きです)

「兄と妹の会話」はフィクションです。

「お兄ちゃんは誰が一番嫌いなの」

「おれが相手にしている中でか。一番嫌いで信用できないのは中国の習だな。これ以上突っぱねているとこっちの体制を転覆しかねない。あの甥っ子を保護しているのがその証拠だ」

「私もそう思う。制裁だけだったら切り抜けられるけど、軍を動かしかねない。そこが怖い」

「そうだ。アメリカとの交渉が上手くいかなかった場合、アメリカが攻めて来る前に例の友好協力相互援助条約を盾に我が国を守ると言いつつ、国境を越えて来るだろう。おれたちの首をすげ替える可能性がある」

「十分にあり得るわね」

「じゃあどうするの、お兄ちゃん」

「習の軍門に降りましたってパフォーマンスを見せればいいんだよ。股の下をくぐるのは嫌だけど、背に腹は代えられない。会いに行こう。恭順の意を示すんだ」

「トランプさんとはどこまで約束するの」

「あのオヤジとは案外に馬が合うんじゃないかと思ってる。すぐに決断するところも似てる。そう思わないか」

「会ったら盛り上がるんじゃない。でも、どこまで行っても自分中心だから気に入らないとなったら本当に席を立つかも」

「核は廃棄する。アイツには本気度を見せないといけない。ここまで金も時間もかけて開発してきたのはアメリカという大きな魚を釣り上げるためだ。高い毛針だった。おれたちがどんなにミサイルを持ってもアメリカに太刀打ちなんかできやしない」

「じゃ、核は本気で捨てちゃうわけ。もったいない」

「いや、モノは捨てるけど、蓄積したノウハウと人材は守る。経済活動が軌道に乗って潤ってきたら、そのノウハウを復活させればいいんだ」

「ロシアのプーチンさんがなんだか駄々をこねているみたいよ」

「冷やっとしておれはアイツも好きじゃない。が、プーチンは使える。おれの爺さんを育てのはソ連だというプライドがあるんだろう。プライドが欲しい奴にはプライドを与えればいいんだよ」

「日本はどうするの」

「安倍も嫌な奴だ。拉致、拉致、圧力、圧力、ただそれだけだ。拉致なんて言ったら南の人間の方が連れて来ちゃった数はるかに多いんだぞ。文さんはそこが偉いよな。わかってても言わない。でも、日本っていう国は好きだ。本当は取り引きしたいな」

つづくかも...


(自宅近くの夏井川。藤が咲いています)

鼻毛が伸びていることに気づきました。思わずつぶやくと高校生の三男が反応しました。

「お父さん、おれ、鼻毛カッター、買ったよ」

鼻毛の処理も高校生の身だしなみに欠かせないようです。

「鼻毛カッター?へ〜、貸してみて」

スイッチを入れ、モーターが唸りだします。恐る恐る鼻の中に入れてみました。

あっ、だめだこりゃ。

あの嫌な感覚を思い出してしまったのです。幼少の頃から私はよく耳鼻咽喉科に通っていました。手術も2回経験しています。

耳鼻咽喉科は幼き私にとってさながら改造人間の手術台でした。

ペンチのような鼻鏡がひんやりと侵入してきます。額帯鏡(凹面鏡の真ん中が空いているやつ)を付けた先生が鼻鏡で私の鼻穴を拡張して覗き込みます。


(自宅から車で5分のカフェ「時季の森」)

心拍が激しくなり、肩に力が入ります。

ユニット台に差し込まれているノズルが嫌いです。大概4本細い首を出しています。1本が吸引用、残る3本が薬剤を注入するスプレーです。

プシュ。薬剤が鼻の奥に注入され、喉の後ろから流れてきます。まさに後鼻漏。舌の奥で苦味を感じます。嫌な感じです。

スプレーだけで終わらず時には細いステンレス製の棒が差し込まれることもあります。これが痛い。薬剤の入っている瓶に棒の先が挿入され脱脂綿に薬剤が浸潤していきます。それが私の鼻の奥に挿されるのです。

鼻で最も辛いのは空気通しです。昔はゴムラッパのゴム玉のようなものを先生がぺこぺこやって鼻と耳にチューブを入れて空気を通しました。現在は電動ポンプで空気を送ります。

もうほとんど拷問でした。耳鼻咽喉科の器具は私にとって拷問器具に等しかったと言えます。

喉は喉でこれまた辛い。


(定番のあんみつ)

喉の奥を見ようと先生がステンレス製のヘラを舌に押し当てます。咽喉の奥まで見るときは、ヘラよりガタイのしっかりした舌圧子で舌をぐいっと押しやられます。思わず、うぇっとなります。喉頭鏡後鼻鏡で喉の最深部を覗かれるのです。

ふたたび口を開けさせられて、仕上げに赤い薬剤が付けられた喉頭捲綿子(指を入れるリングが2つあるやつ)が咽頭に塗られて、うぇっとなります。

これら一連の嫌な思い出が鼻毛カッターを入れた瞬間に走馬灯のように思い出したのです。フラッシュバックというやつですね。

大型連休はこのような感じでスタートを切りました。カフェにでも行ってスイーツを食べようかと思います。


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