- 2021.09.08 Wednesday
オープンダイアローグ
(Den•en Cafe 猪苗代にて)
本年4月から始めた平地区(112区 人口約9万4千人)の区長との対話は今月中に終える目処が立ちました。電話で約束を取り、ご自宅の場所を調べ伺う。簡単なようでいて手間がかかりました。
わざわざ来なくてもいいよ、(防災のことは)わかってっからと言う区長も少なからずいました。ところが、いざお会いするとたくさんのお話をされる。辞去を切り出すのが難しいときもありました。
ただ耳を傾けただけだったのに、後にある地区の公民館長から「区長さん、喜んでたよ。よかったって」と言われました。
いま読んでいる本があります。
森川すいめい著『感じるオープンダイアローグ』(2021年4月、講談社現代新書 860円税別)です。
以前、同氏の『その島のひとたちは、ひとの話をきかないーー精神科医、「自殺希少地域」を行く』を読み感銘を受けました。
オープンダイアローグとは、フィンランドのケロプダス病院で始まった取り組みです。
「(前略)この取り組みによって、それまで向精神薬医夜治療継続が必須と思われていた人たちや、何十年も精神科病院の中で暮らさなければならないとされてきた人たちの8割以上が、向精神薬をやめるか使用することもなく、精神病状がなくなり、仕事や学業から離れないですむまでに回復している」(『感じるオープンダイアローグ』)
「しかし、現代の精神医療の観点からして、ただ対話するだけでそのようなことが起きるとは、私には思えなかった。だから、私がまだ知らない何か魔法のようなものがあるのかもしれない、それを知りたいと思って、すぐに現地へ向かった」(同)
ある人が言っていました。耳は二つ、口は一つなんだから、もっと話を聞かなくちゃ。
区長訪問が落ち着いてきたので、部内の職員(係長職)面談を予定しています。
事業の進捗がどうなっているのかといったことではなく、日頃の組織管理上の悩みや苦労していることなど職員自身に焦点を当てた対話を目指そうと思っています。基本は傾聴です。
上司は絶えず部下に質問を投げかけています。一見コミュニケーションは取れているように見えます。
しかし、それは上司が判断や説明において必要だから質問するという質問です。部下のために尋ねる質問ではありません。
「ただ対話するだけ」でどのようなことが起きるのか。何も起きないかもしれない。それはそれでいいのかなと思っています。
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- by だいこんくん