- 2021.03.31 Wednesday
『思考の整理学』から
(新川にて)
外山滋比古著『思考の整理学』の「整理」という章を抜粋し要約してみました。忘れるということについて言及しています。引用は順不同です。
「こどものときから、忘れてはいけない、忘れてはいけない、と教えられ、忘れたと言っては叱られてきた」
「学校が忘れるな、よく覚えろ、と命じるのは、それなりに理由がある。教室は知識を与える。知識を増やすのを目標にする」
「これまでの教育では、人間の頭脳を、倉庫のようなものだと見てきた」
「せっかく蓄積しようとしている一方から、どんどんものがなくなって行ったりしてはことだから、忘れるな、が合言葉になる。ときどき在庫検査をして、なくなっていないかどうかをチェックする。それがテストである」
私の場合、いつも欠品していました。いつのまにか棚から「記憶」がごっそりと消えてしまっていました。もう少し引用を続けます。
(沈思黙考する猫)
「かつては、忘れてはいけない、忘れてはいけない、と言っていられた。倉庫として頭を使った。中が広々していたからである。このごろは入れるものが多くなったのに、スペースには限りがある」
「忘れる努力が求められるようになる」
私の場合、努力せずとも容易かつ簡便に忘却することができます。ほぼプロフェッショナルです。
「頭をよく働かせるには、この“忘れる”ことが、きわめて大切である。頭を高能率の工場にするためにも、どうしてもたえず忘れて行く必要がある」
次の文章は当該章の末尾です。一番心の中に残った言葉です。座右の銘としたい。
「忘れるのは価値観にもとづいて忘れる。おもしろいと思っていることは、些細なことでもめったに忘れない。価値観がしっかりしていないと、大切なものは忘れ、つまらないものを覚えていることになる」
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- by だいこんくん